2022 Fiscal Year Annual Research Report
FGFR2遺伝子増幅胃癌におけるFGFR2C3variantを標的とした研究
Project/Area Number |
19K16767
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
足立 雄太 愛知県がんセンター(研究所), がん標的治療TR分野, 主任研究員 (30833842)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | FGFR2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はFGFR2増幅胃癌に対するC3 variant特異的な標的治療の有効性を明らかにすることである。これまでの解析でFGFR2 C3特異的なsiRNAによるFGFR2下流シグナルの抑制及び細胞増殖の抑制効果が確認できたため、shRNAの作成を試みていたが、その効果に乏しく、ドキシサイクリン誘導shRNAを用いたin vivoでのFGFR2C3のノックダウンは困難と考えられた。そこで昨年shRNAによるノックダウンではなくin vivo siRNAを皮下腫瘍に直接注入することでFGFR2C3のノックダウンを試みたところ、SNU-16, HSC39の皮下腫瘍モデルで腫瘍増殖抑制が確認できた一方で、in vitroで確認できた著明な細胞増殖抑制効果と比較し、in vivoでの抗腫瘍効果は大きくなかった。in vivo siRNAを投与した腫瘍を用いて定量的PCR解析を行うと、FGFR2C3 transcriptの著明な抑制が認められていなかったことから、siRNAのin vivoにおける薬剤送達という点において改善を要する必要があるが、本研究要件の内容を大きく超えるものであり、その改善に至ることは困難と考えられた。またin vitroにおける抗腫瘍効果及びシグナル経路の解析から同シークエンスを標的とした核酸医薬の開発は有望であると考えられたが、上述の薬剤送達性のみならず、in vivoでの腫瘍微少環境による抵抗性獲得の可能性も十分に考えられ、今後の治療開発を進めるという観点からは妥当性を担保できない結果であることが示唆された。
|