2020 Fiscal Year Annual Research Report
オルガノイド培養システムを用いた癌幹細胞の特性とオートファジー活性との関係性
Project/Area Number |
19K16775
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笠木 勇太 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70838937)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オルガノイド / 癌幹細胞 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
準備研究で示したように、ヒト食道上皮細胞株にてオルガノイドを作成、DeWard ADらと同様にCD73とItgβ4の発現についてフローサイトメトリーにて解析すると、ヒト食道上皮においても幹細胞型(CD73+/ Itgβ4high)、中間型(CD73-/ Itgβ4high)、分化型(CD73-/ Itgβ4low)の3つの細胞分画を有することを確認した。さらにオートファジー活性の指標であるCytoIDを幹細胞型と中間型の分画について見てみると、幹細胞型で有意にCytoID活性が高かった。 これらの基底細胞サブクラス発現に、ある種の炎症性サイトカインが影響すると考え、IL4、IL13、TNFα、TGFβで刺激しオルガノイドを作成、フローサイトメトリー行うとサイトカインによって誘導される分画に変化を認た。IL3、IL13で分化型を多く誘導するのに対し、TNFαおよびTGFβで幹細胞型を強く誘導することが分かった。サイトカイン誘導したオルガノイドを継代すると、幹細胞型を多く誘導したTNFα、TGFβ刺激群でのオルガノイド形成率が高く、幹細胞の性質が強いことが分かった。 それぞれの細胞分画をセルソーティングし、RNAシーケンスを施行、各分画に特徴的な因子を同定した。それらの因子についてオルガノイド形成実験、上皮分化マーカーの評価、RT-PCR等の各種検討を追加実験し、その結果を学術論文にまとめ投稿、現在査読を受けている。
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Research Products
(5 results)