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2020 Fiscal Year Research-status Report

全脳透明化・脳切片培養による腫瘍幹細胞・iPS細胞由来神経幹細胞の時間空間的解析

Research Project

Project/Area Number 19K16779
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

藏成 勇紀  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (90815309)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords悪性神経膠腫 / iPS細胞 / 神経幹細胞 / 脳切片培養 / 透明化
Outline of Annual Research Achievements

iPS細胞の登場により様々な中枢疾患に対する細胞移植治療が脚光を浴びている。申請者は、かねてより悪性神経膠腫(グリオーマ)に対するiPS細胞由来神経幹細胞の挙動に着目してきた。iPS細胞由来神経幹細胞は、悪性神経膠腫細胞に指向・遊走性を示し、治療遺伝子の運搬体として使用可能なことを明らかとした。しかし、脳内での遊走速度、遊走距離、遊走方向等を長期間定量解析した報告は未だない。同時にヒト悪性神経膠腫の難治性の根源と言えるグリオーマ幹細胞の脳内の挙動も不明な点が多い。in vitro (2D基質上や3Dバイオマトリックスゲル上)でリアルタイムにイメージングした報告は認めるものの、生体内を完全に反映できていない。一方で、脳スライス培養法により、脳内に近い細胞構築を保持しつつ、長期間のタイムラプスでの観察をすることが可能である。しかし脳切片培養は、250μm程度の薄切りにする必要があるため、3Dの挙動を解析するためには、不十分である。近年透明化技術の発展により、全脳の構造を極めて鮮明に描出することが可能となった。そこで本研究課題では、全脳透明化技術を組み合わせることで、脳内の移植細胞の挙動を広範囲かつ3次元的に捉える。申請者らは移植細胞を可視化することで、上記課題の解決に努める。生体内での移植細胞の挙動を明らかにすることは、脳腫瘍に対する治療のみならず、あらゆる疾患に対する幹細胞を用いた再生医療を飛躍的に促進させる可能性がある。
本年度は、脳切片培養法に関して、びまん性浸潤するhG008に対するCD自殺遺伝子導入iPS細胞由来NSCの遊走・指向性を我々が樹立した定量評価法で評価することに成功し、また、びまん性浸潤するhG008を移植し生着させた脳にhKO1で標識されたCD自殺遺伝子導入iPS細胞由来NSCを、定位的に移植するところまでは達することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

脳切片培養法に関しては、びまん性浸潤するhG008に対するCD自殺遺伝子導入iPS細胞由来NSCの遊走・指向性を我々が樹立した定量評価法で評価することに成功した。NSCはびまん性浸潤するhG008にも追従し、脳梁を越え対側に浸潤したhG008にも到達することができた。また、びまん性浸潤をするhG008を移植し生着させた全脳をpassive CLARITY法により透明化し、深部の透明化と蛍光タンパクの退色のバランスを保つ条件検討をすることができた。hG008を移植し生着させた脳にhKO1で標識されたCD自殺遺伝子導入iPS細胞由来NSCを移植する事までは達したため、今後遊走期間を置き、その挙動を評価する。

Strategy for Future Research Activity

脳切片培養に関しては、再現を持って結果を得ることができた。今後は、透明化により重点を置く。昨年までにhG008を移植し生着させた脳にhKO1で標識されたCD自殺遺伝子導入iPS細胞由来NSCを、定位的に移植するところまでは達したため、今後遊走期間を置き透明化を行い、その遊走・指向性を3D解析する。多光子顕微鏡(FLUOVIEW FVMPE-RS)の近赤外域のレーザーを用いて深部組織を観察する予定である。その後、特に脳梁など領域ごとに分けた解析を行う予定である。

Causes of Carryover

(理由)効果的に物品調達を行った結果であり、さらに、本年度は特に実験計画に大きな難が生じなかったからである。次年度の研究費と合わせて試薬・消耗品などの購入に充てる予定である。
(使用計画)次年度は、より細胞培養、及び動物実験を行っていくため、まず幹細胞培養関連試薬、幹細胞用低接着フラスコを購入する予定である。また透明化は繰り返し行うため、動物購入・飼育費に費用がかかる。また本治療計画はヒト細胞を用いるため、動物は最低でもBALB/C由来のNude mouseである必要があり、場合によってはNOD/SCID mouseも購入する可能性がある。以上含め、その他、培養関連試薬、組織解析の関連試薬を中心に購入予定である。

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Published: 2021-12-27  

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