2019 Fiscal Year Research-status Report
悪性骨軟部腫瘍における自然免疫賦活化による抗腫瘍効果の検討
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19K16802
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
薛 宇孝 九州大学, 医学研究院, 助教 (40727020)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨軟部腫瘍 / 肉腫 / 免疫 / 骨肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
Toll like receptor(TLR)4は細菌由来のリポ多糖(LPS)をリガンドとし自然免疫を活性化させるレセプターであるが、このTLR4による自然免疫の活性化による骨肉腫における抑制効果を調査した。この解析のために用いた実験系は、TLR4が正常に機能している野生型(C3H/HeN)マウスと、TLR4の機能喪失型変異を持つTLR4欠失型(C3H/HeJ)マウスに対しsyngenicなマウス由来の骨肉腫細胞株であるLM8を移植したものである。これらに対するLPS投与の有無により骨肉腫細胞の増殖が受ける影響について検討した。 LM8は高率に肺転移を来す細胞株であり、マウスの生存期間とともに肺内に転移巣が占める面積比を評価項目とした。興味深いことに、LPS刺激の無い状態においても野生型マウスでは欠失型マウスと比較して腫瘍増殖が遅い傾向にあった。この差異はLPS投与によりより顕著となり、野生型マウスはLPS投与により腫瘍増殖が有意に抑制されたのにくらべ欠失型ではLPSの投与による腫瘍増殖抑制効果は見られなかった。この結果については第 51回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会にて発表を行った。 この腫瘍増殖抑制効果の機序の解析のため、腫瘍に浸潤している免疫細胞の差異について評価を行った。まずマクロファージに着目したものの野生型マウスと欠失型マウス、およびLPS刺激の有無で変化が認められなかった。一方でCD8陽性T細胞はLPS刺激により腫瘍組織内に浸潤する細胞数の増加が認められた。今後、CD8陽性細胞についてin vivo depletionを行い、エフェクターとしての機能を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LPS刺激による腫瘍増殖の差は野生型マウスと欠失型マウスとで予想どおりの結果を示した。また、CD8陽性T細胞の浸潤に差がみられておりエフェクターの同定にも成功している可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
CD8陽性細胞についてin vivo depletionを行い、エフェクターとしての機能を確認する予定である。また、ヒト骨肉腫患者の臨床検体においてCD8陽性T細胞の浸潤と予後に相関があるかを調査する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していたよりも少ないマウスの使用数で有意な結果を得たため使用額が少なくなったものである。翌年度の実験に用いる試薬や抗体にあてる計画である。
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