2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒト肺がんオルガノイドを用いたプレシジョンメディシンに向けた基盤研究
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19K16806
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
小柳 潤 和歌山県立医科大学, 医学部, 特別研究員 (80716069)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺癌 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の分子標的治療は目覚ましい進歩を遂げている。肺癌においてはEGFR変異をはじめとするドライバー変異を標的とした治療が行われているが、初期耐性や獲得耐性により、次治療の選択肢が減少することが問題となっている。治療抵抗性のメカニズムについての詳細な解析を行うためには、患者由来のがん細胞を用いることが重要である。 そこで、令和元年度は和歌山県立医科大学呼吸器内科・腫瘍内科において生検を受けた患者より提供された検体を用いて培養を行い、オルガノイド株の樹立を試みた。その結果、EGFR変異をはじめとする各種ドライバー変異陽性患者からオルガノイドを樹立することに成功した。また次世代シークエンサーによる解析をおこなったところ、臨床検査にて検出されたドライバー変異を培養オルガノイドで確認した。 樹立したオルガノイドをマウスへの移植し造腫瘍性、組織型やマーカー発現などの特徴について評価を行っている。 また、薬効評価系も確立し、各オルガノイドの薬剤感受性の評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は肺癌患者の生検検体からオルガノイドを樹立し、これをリソースとして駆使することで、分子標的治療薬の耐性機構やその克服法の分子基盤の解明、治療効果予測因子の探索を行い、プレシジョンメディシンの実現を目指すことである。 オルガノイドの樹立に成功し、シークエンス解析など当初予定した解析がおおむね順調に完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度も引き続きオルガノイドの樹立を行う。 現在樹立されているオルガノイドの大半は分子標的治療開始前の生検検体より培養したものである。現在治療で投与されている薬剤を用いて、in vitroでオルガノイドに処理し、薬剤処理に伴う細胞集団の経時変化を1細胞発現解析により評価する予定である。 in vitroで得られた知見をもとに、マウスでの治療実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
海外学会への参加の為
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