2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of RET inhibitor based on the interaction between the kinase protein and inhibitor
Project/Area Number |
19K16817
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
中奥 敬史 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (20779491)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RET / チロシンキナーゼ阻害剤 / がんゲノム医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんゲノム医療の広がりのなか、患者・薬剤感受性情報と紐付いたがんゲノムの実世界データの蓄積が進みつつあるが、変異による治療薬の感受性は多様であり、変異に応じた最適な選択方法は十分に確立されていない。その解決に、申請者が報告してきたin vitro実験データと分子動力学シミュレーションを組み合わせた変異に応じた感受性薬剤選択の手法は、その拡張によってより多くの変異に対して薬剤感受性情報が付与でき、がん個別化医療への寄与が期待できる。本研究により、大規模ゲノム情報からキナーゼ遺伝子変異情報をもとに、阻害剤との相互作用に重要な薬剤側、タンパク質側の構造の観点から、薬剤耐性変異に影響を受けにくい作用機作を持つキナーゼ阻害剤開発に向けた創薬アイデアを得ることを目的とする。 RETキナーゼを対象に、自施設にて経験した薬剤耐性獲得検体より新たな耐性変異を同定し、報告した。収集した変異リストをもとに変異をタンパク質と細胞モデルに導入し、薬剤感受性情報を取得した。キナーゼドメインの精製タンパク質から、複数の阻害剤との共結晶構造を取得することができた。その構造情報に対して、変異導入し、分子動力学シミュレーションを行うことで、薬剤感受性データを取得している。これらのオリジナルの結晶構造を用いた実験データと同化したコンピューター手法を組み合わせることで、変異に応じた薬剤感受性の定量法の確立のためのデータ収集し、相関を確認した。 本研究の成果により、患者個人の遺伝子情報に臨床的意義を与えると同時に適正な薬剤選択を可能にし、我が国のがんゲノム医療の推進への寄与が期待できる。
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Research Products
(1 results)