2021 Fiscal Year Research-status Report
The prospective study of blood biomarker and gut microbiota in the patients treated with immunocheckpoint inhibitors for advanced non-small cell lung cancer
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19K16820
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Komagome Hospital (Clinical research laboratory) |
Principal Investigator |
大熊 裕介 東京都立駒込病院(臨床研究室), 呼吸器内科, 医員 (50788768)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非小細胞肺癌 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 腸内細菌叢 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対するキードラッグとして示されている免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1/PD-L1抗体を受けた進行NSCLC患者を対象とし、その効果予想となる新規バイオマーカーを開発することで長期奏効もしくは早期に増悪する患者を予測することを目的として実施されている.腫瘍免疫に関与する因子は多彩であり、これまで抗PD-1/PD-L1抗体を受ける進行NSCLC患者において、前向きに血漿/血清、末梢血単核細胞(PBMC)、便中の腸内細菌叢の解析のため、検体を集積し、検討を重ねてきた. また、近年は免疫チェックポイント阻害薬の効果予測因子として注目されている腸内細菌叢の解析のため、検体の収集や解析を行ってきた.これまで腸内細菌叢の多様性が免疫チェックポイント阻害薬の効果や副作用に影響している可能性や、抗生剤を前投与していることで免疫チェックポイント阻害薬の効果の減弱している可能性が示唆され、当グループでも解析を行ってきた.これらは悪性黒色腫を中心とした報告であり、NSCLCに関する報告は少なく、また、腸内細菌叢は食生活など文化的影響を受けることがしられており、本邦での報告はなかった.われわれは東京都立駒込病院で治療を受けた進行非小細胞肺癌症例に対し、免疫チェックポイント阻害薬を投与する前の患者の便検体を採取し、便検体よりDNAを抽出・保存を行った.その後、16s RNAを標的としたアンプリコンシークエンスを行い、腸内細菌叢の検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
対象患者は再発・進行NSCLCで治療ラインに関わらず、抗PD-1/PD-L1抗体であるニボルマブ・ペムブロリズマブ・アテゾリズマブいずれかの治療前の便検体を集積した.重複患者はなかった.患者情報の収集については、前向きに調査票や電子カルテ情報を用い、性別・年齢・身長・体重・既往歴・喫煙歴・肺がんの組織型・化学療法・放射線療法・免疫チェックポイント阻害薬の種類・1カ月以内の抗菌剤投与の有無・免疫チェックポイント阻害薬の治療効果判定・無増悪生存期間・全生存期間・毒性といった臨床情報を収集した. 2019年4月まで70検体を採取し、16s RNAを標的としたアンプリコンシークエンスを行い、腸内細菌叢の検討を行った.その後、フランスのグスタフ・ルシーがん研究所のLaurence Zitvogel教授の協力を得て、ドライ解析を行い、臨床効果に影響のあった腸内細菌叢の特徴を検討した.また、免疫チェックポイント阻害薬を受けた進行非小細胞肺癌の臨床情報や画像情報を電子カルテより収集した.これら解析結果は米国がん研究学会(AACR)の学会誌であるCancer Immunology Research誌(IF: 8.728)に受理され、10月号の表紙を飾った(Hakozaki T, Richard C, Okuma Y, et al. Cancer Immunol Res. 2020 Oct;8(10):1243-1250.).また、当グループで解析したデータを用いて、米国ジョンズホプキンス大学のグループと共同研究を行い、Clinical Cancer Research誌(IF: 10.107)で発表された(Fyza Y Shaikh, et al. Clin Cancer Res 2021;27(9):2571-2583. ).また、Cancer Immunology Research誌にて発表された論文は、2020-2021年で最も引用数がお多かった論文の一つとして、AACR発行誌のなかから発行される雑誌の中で選出された、”Best of AACR Journals”として申請者(大熊)が表彰をされた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、一定の成果を上げることができた。今後は、現在非小細胞肺癌は免疫チェックポイント阻害薬の単剤からプラチナ併用療法と併用する、複合免疫療法の短い期間の間に進展している。腸内細菌叢についても同様に研究すべき対象として、臨床データおよび検体を引き続き採取している.今年度で一旦終了となるため、研究継続のため再度科研費に応募する予定である。また、引き続き、フランスのグスタフ・ルシーがん研究所およびカナダのモントリオール大学とも共同研究を続けていく. 本研究は様々な免疫チェックポイント阻害薬を受けた進行NSCLCの患者集団を対象としており、今年度は血漿/血清検体やPBMC検体を中心とした解析を行っていく予定である. それぞれの治療を受けている進行NSCLCの患者集団は非常に多彩であり、また、免疫状態も多彩となっている.このため、エンリッチされた患者集団での各臨床検体における解析は小規模ながらもそれぞれに意義があると考える.予定以上の速さでAACRの雑誌の表紙になるなど予想以上の評価を得ることができたが、今後、代謝産物などの解析などを行っていくには現在の研究費が少なすぎるため(希望予算の半分以下)であったため、残念ながらしばらくは検体集積のみに限られる。今後、別途研究予算を申請することなど検討する。 また、最後に主解析として、免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1/PD-L1抗体を受けた進行NSCLC患者を対象とし、血漿/血清、PBMC、腸内細菌との関連性を見出し、その効果予想となる新規バイオマーカーを開発することを目標とし、研究を継続していく.
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Causes of Carryover |
解析のための「その他」発注額が納入額に対し、検体数の問題もあり、予想よりも安くなったため。
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[Journal Article] A Uniform Computational Approach Improved on Existing Pipelines to Reveal Microbiome Biomarkers of Nonresponse to Immune Checkpoint Inhibitors2021
Author(s)
2.Fyza Y Shaikh, James R White, Joell J Gills, Taiki Hakozaki, Corentin Richard, Bertrand Routy, Yusuke Okuma, Mykhaylo Usyk, Abhishek Pandey, Jeffrey S Weber, Jiyoung Ahn, Evan J Lipson, Jarushka Naidoo, Drew M Pardoll, Cynthia L Sears
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Journal Title
Clin Cancer Res
Volume: 29
Pages: 2571-2583
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research