2019 Fiscal Year Research-status Report
抗酸化物質の微小管作用メカニズムの解明と新たな臨床応用
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19K16824
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高田 護 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 助教 (90800392)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 抗腫瘍効果 / 増殖抑制効果 / 有害事象 / 新規抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
CMPD1の微小管阻害作用のメカニズムとPhenotypeを確認するため、MDAMB231細胞、Hela細胞およびC3Tag細胞を用いてin vitro実験(FACS, Colony formation assay, immune fluorescent解析、MTT解析)を行った。CMPD1の各濃度でいずれも細胞増殖、悪性形質抑制効果が示され、それらは濃度依存的であった。さらにin vivoでの効果を確認するため、breast cancer xenograft mice modelとしてNOD/SCID mice - MDA MB 231 Luc GFPとFVB/NJcl mice - C3Tag Luc GFPを作成した。動物実験の流れとして、1、毒性試験、2、投与法決定のための予備実験、3、本試験とした。1、毒性試験ではCMPD1の主な有害事象と致死量を確認した。2、予備実験においてそれぞれのマウスモデルでの長期投与による影響と腫瘍増殖抑制効果を確認した。3、本試験はNOD/SCID mice - MDA MB 231 Luc GFPをまず行った。Positive controlとして設定したTaxol 10mg群との比較ではCMPD1の投与量は極めて低容量でTaxol 10mgとほぼ同等の腫瘍縮小効果が認められた。マウスに出現した副作用は有意にTaxol10mg群の方が重篤であった。FVB/NJcl mice - C3Tag Luc GFPは免疫正常なマウスモデルであるが、予備実験ではこの群のほうがNOD/SCID mice - MDA MB 231 Luc GFP よりもより強い腫瘍増殖抑制効果を示した。CMPD1の濃度は低濃度群と高濃度群の二群で行い、NOD/SCID mice-MDA MB 231 Luc GFPモデルでは良好な結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メカニズム解析実験はほぼ予定どおりの実験の進捗状況であるが、詳細なメカニズム解析に必須であるtubulin重合阻害のin vitro実験と変異体を用いたウェスタンブロット解析が未施行であるため、ほぼ計画通りかやや遅れ気味と考えられる。一方、準備、施行ともにより時間のかかる動物モデルを用いたin vivo実験は毒性試験、予備試験共に順調に計画を終了し、当初の予定よりも早く本試験まで進み、本試験も約半分が終了した。そのため動物実験のProgressは非常に良いと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはCMPD1の及ぼすtubulin重合阻害の確認実験をin vitroで行う。さたにMK2変異体を用いたウェスタンブロット解析も併せて行う。また、FVB/NJcl mice - C3Tag Luc GFPの本試験を行い、免疫正常下でのCMPD1の腫瘍抑制効果を確認する。予備実験の結果では免疫誘導作用がある可能性も示唆されたため、CMPD1が腫瘍免疫に与える影響についても追加で確認する。すべての実験を遂行したのち、最後に投稿する雑誌を選定し、雑誌に見合ったpublication qualityのFigureを揃え、必要と思われる裏付け実験を追加する予定である。
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Causes of Carryover |
tubulin重合阻害実験を次年度に行うため、顕微鏡関連費用および蛍光免疫染色用の抗体購入費が次年度に生じる予定である。さらに、各治療群それぞれ18から20匹を用いた免疫正常マウスによるCMPD1治療動物実験を行い、腫瘍免疫に関する解析も追加するため、次年度では新たな抗体購入費および動物購入費、飼育費がかかる。また、動物ケージおよび動物実験用ガウン、live imaging用試薬の購入も要し、さらに論文投稿を予定しているため次年度は本年度以上に使用額が増える見込みである。
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