2019 Fiscal Year Research-status Report
AI画像診断と網羅的遺伝子解析に基く早期胃癌の深達度診断・リンパ節転移予測の確立
Project/Area Number |
19K16825
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 陽佑 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (80800896)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 早期胃癌 / 深達度 / AI / リンパ節転移 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
早期胃癌の深達度診断予測及びリンパ節転移リスクに関する術前診断は内視鏡的粘膜下層剥離術の適応判定および追加外科切除を減らす上で重要である。本研究の目的は、第一にAIによる高精度の胃癌深達度システムを構築すること、第二に網羅的遺伝子発現によりリンパ節転移リスクを術前に判定する診断基準を樹立することである。 まず、AIによる胃癌深達度診断に関しては、現時点までに当院での倫理委員会で承認を得て、画像抽出を開始している。現在までに粘膜内癌25症例、粘膜下層軽度浸潤癌 (<500μm) 25症例、粘膜下層深部浸潤癌 (≧500μm) 25例、進行癌25症例に関して、それぞれ通常光・インジゴカルミン散布画像・狭帯域光観察画像に対して匿名化を行った。さらにそれぞれの画像にアノテーションを行い、それぞれの画像に拡大情報などの分類を行った。今後も症例を追加し、AIシステムを構築、検証していく。 網羅的遺伝子発現によるリンパ節転移リスクの検討に関しては、現在までに術前に取集した、胃癌検体を用いて解析を開始している。術後病理診断により高分化型腺癌優位であったもののうち、粘膜内癌8症例、粘膜下層深部浸潤癌8症例のRNAを抽出した。これらに対してマイクロアレイ解析を行った。クラスター解析を行ったところ、粘膜内癌と粘膜下層深部浸潤癌は明瞭に分かれることが確認できた。粘膜内癌と粘膜下層深部浸潤癌で優位に発現が異なる遺伝子の抽出を行い既報などとの比較検討により選択した、候補遺伝子A, B, C, D, Eに対して免疫染色を開始する。これに関し、8月消化器病学会において、発表を予定している。今後候補遺伝子に関する免疫染色を進め、リンパ節転移の特異的マーカーとなるか検証し、マーカーの確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AIによる胃癌深達度診断に関しては、現在症例集積は予定より遅れており、まだ目標症例数に達していない。現在までに用意した症例で解析を開始しており、その条件により症例集積の比率などを検討し、本年度中には目標症例数まで到達することを予定し、再度構築したAIシステムにより、精度の検証を行う予定である。 網羅的遺伝子発現によるリンパ節転移リスクの検討に関しては、候補遺伝子の免疫染色により、マーカーの有用性を検証する。
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Strategy for Future Research Activity |
AIによる胃癌深達度診断に関しては引き続き症例集積を進め、胃癌深達度診断AIシステム構築する。現在までにZhuらの報告で、正断率89.16%を達成しており、これを上回るシステムの構築を目指し、術前に深達度予測を客観的に行うことのできる、システムを構築する。 網羅的遺伝子発現によるリンパ節転移リスクの検討に関しては、ゲノムインフォマティック解析により、候補遺伝子を決定し、これらの有用性を免疫染色により検証していく。これにより今後、追加外科切除を減らすべく、リンパ節転移リスク因子の確立を行う。
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Causes of Carryover |
AI研究において症例蓄積が遅れている。そのため解析のためのワークステーションは時期を遅らせた方がより費用対効果の優れた製品を購入できる可能性があると考え本年度は購入しなかった。これが次年度使用額が生じた理由であり、次年度はワークステーション購入するために使用する予定である。
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