2019 Fiscal Year Research-status Report
ポリオウイルスレセプターを標的とした非小細胞肺癌に対する新規複合免疫療法の開発
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19K16837
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高田 和樹 九州大学, 大学病院, 医員 (50806495)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CD155 / PD-L1 / 非小細胞肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、非小細胞肺癌において、免疫チェックポイント因子であるCD155発現の意義を明らかにし、CD155およびPD-L1の両者を標的とした新規複合免疫療法開発に向けた基礎的検討を行うものである。 まず、肺扁平上皮癌切除検体264例におけるCD155発現を免疫組織化学染色で調べ、PD-L1発現(SP142)、CD3、CD4、CD8陽性リンパ球を含む臨床病理学的因子および予後との関係を解析した。 CD155高発現は137例(51.9%)、PD-L1陽性は152例(57.6%)であった。CD155高発現は胸膜侵襲(+)(p=0.0154)、血管侵襲(+)(p=0.0167)で有意に多く認め、PD-L1陽性(p=0.0011)、腫瘍浸潤リンパ球高浸潤(CD3;p=0.0193、CD4;p=0.0197、CD8;p=0.0400)と有意に関連があった。予後解析で、年齢(≧70)(p=0.0217)、pStage(≧II)(p<0.0001)、リンパ管侵襲(+)(p=0.0033)、縮小手術(p=0.0393)、CD155高発現(p=0.0061)が独立した予後不良因子であった。 現在、肺腺癌においても同様の解析を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、肺扁平上皮癌におけるCD155発現は、予後因子として有用である可能性が示唆された。また、PD-L1発現および腫瘍浸潤リンパ球数と関連があり、新規複合免疫療法標的としての可能性も検討すべきと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
肺腺癌においても、同様にCD155発現を免疫組織化学染色で調べ、PD-L1発現(SP142)を含む臨床病理学的因子および予後との関係を解析する。 また、肺癌細胞株を用いて、CD155発現誘導機序におけるdriver oncogeneの関与について検討を行う。
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