2019 Fiscal Year Research-status Report
エクソソーム分泌を阻害する低分子化合物のスクリーニングによる新規がん治療薬の開発
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19K16848
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
吉岡 祐亮 (吉岡祐亮) 東京医科大学, 医学部, 講師(特任) (60721503)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エクソソーム / 低分子化合物 / 細胞外小胞 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、がんは日本人の死因第1位であり、有効な治療法の確立が求められている。死因の最大要因は、がんの浸潤および転移であり、がんの転移を阻害することは重要な課題である。がん細胞間および、がん細胞とその周囲に存在する免疫細胞や線維芽細胞、血管内皮細胞などの間質細胞とのコミュニケーションによって転移に必要な環境を整えている。腫瘍内もしくは転移先臓器とのコミュニケーションツールとしてエクソソームが利用されており、エクソソームによるがん悪性化メカニズムの報告が多くある。したがって、本研究ではがん細胞のエクソソーム分泌を阻害する方法を検討する。 令和元年度は、はじめに、研究代表者が開発したエクソソーム測定法であるExoScreen法を用いて、卵巣がん細胞株のエクソソーム分泌量の測定するための条件を検討し、96ウェルプレートで培養する際の細胞数や培養時間を決定した。決定した条件において、CD9陽性もしくはCD63陽性のエクソソーム量を測定することができた。ついで、1271種類の化合物が含まれるライブラリとタイムラプス画像による継時的な細胞数変化を計測する機器を用いて化合物が卵巣がん細胞の増殖に及ぼす影響を解析しながら、ExoScreen法にてエクソソーム分泌量を測定した。これを1次スクリーニングとして、さらに絞り込んだ低分子化合物について、2次スクリーニングとして同様の実験を行い、最終的には、8種類の化合物をエクソソーム分泌抑制剤の候補化合物として選出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、エクソソームの分泌を阻害しうる化合物の候補を選出し、概ね計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
2年度目は初年度で選出した化合物に対して、他の卵巣がん細胞株で効果があるのか、また正常細胞に対する影響などを検討する。さらにマウス卵巣がん移植モデルを用いて、転移抑制効果があるかなどを検討する予定である。
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Causes of Carryover |
端数が生じたため次年度に繰り越すが、2445円と少額なため、とくに研究計画に変更・支障はない。
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