2019 Fiscal Year Research-status Report
Survivinを標的とした骨髄腫幹細胞に対する新規治療戦略の開発
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19K16857
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大藏 美幸 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (30647657)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨髄腫 / CD49e / 抗アポトーシス蛋白 / レナリドマイド |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄腫幹細胞を根絶させ、骨髄腫を治癒へ導く治療戦略の開発を目的とした本研究で、本年度は以下を見出した。 骨髄腫幹細胞はG0期の骨髄腫細胞集団に存在すると考えられるため、G0期の骨髄腫細胞をHoechst33342とPyronin YとのFCMを用いて、再現性をもって同定できることを確認した。 さらに収集した患者検体データより、以下の結果を得た。骨髄腫細胞は、MPC-1とCD49eという2つの表面マーカーの発現パターンから、未熟型と中間型と成熟型の3つに分類できる。骨髄腫幹細胞の薬剤感受性を検討するにあたり、未熟型の骨髄腫をそのモデルとして予備検討を行った。既存の骨髄腫治療薬ボルテゾミブとレナリドマイドで、未熟型の骨髄腫細胞におけるtime to next treatmentを比較したところ、有意差をもってレナリドマイドのTNTが長かった。よって、未熟型の骨髄腫細胞にはレナリドマイドが有用である、ひいてはレナリドマイドは骨髄腫幹細胞根絶のための候補薬の一つとなりうることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨髄腫幹細胞のモデルとしてG0細胞の再現性のある同定ができた。 骨髄腫患者の蓄積データより、骨髄腫幹細胞を根絶させる治療薬の候補として、レナリドマイドを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
骨髄腫幹細胞のモデルとしてside population細胞を作成し、候補薬の抗腫瘍効果を確認する。
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Causes of Carryover |
本年度は主に患者蓄積データの検討、およびG0期の骨髄腫幹細胞モデルの再現性の確認を中心に行い、予定していたside population細胞の検討は次年度に延期したため。 次年度に上記の検討に使用する消耗品を購入する予定である。
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