2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of innovative HER2-targeted therapy in HER2-mutant lung cancer
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19K16865
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
二宮 貴一朗 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80788802)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非小細胞肺がん / HER2遺伝子変異 / Tumor mutational burden |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、HER2遺伝子変異肺がんに対して治療効果予測となる因子を臨床研究の残余ヒト検体を用いて見出し、基礎研究でその因子の研究及び新規治療法の効果を検証することにより、HER2遺伝子変異肺がんに対するHER2標的治療法のさらなる効果工場を目指すことである。 目的を達成するため、まずHER2遺伝子変異陽性肺がんに特異的な何らかの因子を見出すことに解析を行うことを計画している。1,126例の肺がん検体が保存されているデータベース(UMIN000017003)から、まずHER2遺伝子変異陽性肺がん患者のみを抽出し、その残余検体及び保存DNAの質を確認した、そのうち、解析に足る13検体を抽出した。 抽出されたHER2遺伝子変異陽性肺がんの検体DNA 13検体(FFPE検体からの抽出検体)を、KAPA Hyper Prep Kit(KAPA Biosystems社)を用いてライブラリー作製を行い、NovaSeqによる全エクソーム解析を行った。すべてのサンプルにおいてライブラリー作製可能であり、既知のHER2遺伝子変異をすべてのサンプルで確認可能であった。現在、結果の詳細な解析を行っているところである。現時点で、TMBの解析において症例毎のばらつきが検出されており、HER2阻害薬との効果の関連を検証することを計画している。 全エクソーム解析により見出された新たな因子により、新しい治療法の開発についてin vitro、in vivoでの検討を行うことを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当研究において保存されていたDNA検体の保存状況が芳しくなかったことから、当初の予定と異なりKAPA Hyper Prep Kit(KAPA Biosystems社)を用いてライプラリー作製を行うことに変更した。そのため、研究に遅延があり、計画外の費用を要した。 また新型コロナウイルス感染状況の悪化により、解析の遅延(試薬の購入遅延)及び研究実施の遅延の影響を受けている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行ったHER2遺伝子変異陽性肺がんのDNA13検体を用いた全エクソーム解析の詳細な解析を引き続き進め、特にHER2阻害薬との生存効果および副作用に関連する因子(遺伝子など)を明らかにし、発表することを計画している。 また、全エクソーム解析により見出された新たな因子により、新しい治療法の開発についてin vitro、in vivoでの検討を行うことを計画している。
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Causes of Carryover |
本研究において、全エクソーム解析を行う目的で準備・保存されていたDNA検体の保存期間が長く状態が芳しくなかったことから、当初の予定と異なりKAPAHyper Prep Kit(KAPA Biosystems社)を用いてライプラリー作製を行うことに変更したため次年度使用額が生じた。 使用計画としては、次年度のエクソーム解析およびそれらから得られた因子の基礎研究に必要な物品費及び解析結果の学会報告・論文作成費等に充当する。
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