2019 Fiscal Year Research-status Report
cfDNAを用いた大腸癌特異的メチル化マーカーによる大腸癌存在診断法の開発
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19K16868
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清水 大 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50723037)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸癌 / メチル化 / cfDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、すでに癌組織に関するpublic dataを用いて大腸癌に特異的にメチル化されたシトシンを同定し、本研究に着手した。public dataをhold-out法により4:1でdiscovery setとvalidation setに分割し、discovery setを用いて大腸癌特異的なメチル化パネルを作成した。validation setにおいても、大腸癌の診断精度はROC解析でAUC=0.981と非常に高い精度を示し、その診断能が支持された。 実際の組織データを用いたPost-Bisulfite Adaptor Tagging(PBAT)法によるwhole genome bisulfite sequencing(WGBS)診断能の検証では、大腸癌原発巣の9例の凍結切片全てにおいて、大腸癌特異的メチル化パネルで陽性となった。また、大腸癌転移巣の9例のパラフィン包埋切片においては、6例で大腸癌からの転移であると診断しえた。パネルの基となったメチル化に関するpublic dataはメチル化アレイデータであり、研究代表者の結果からは、異なったmodarityであるシーケンスにもそのパネルが有用である事が示され、かつ凍結切片・パラフィン包埋切片に関わらず有用であることが示された。 さらには、別のコホートで大腸癌・胃癌・乳癌のそれぞれ16例の凍結切片をメチル化アレイにかけて、その診断能を検証したところ、大腸癌の診断精度はROC解析でAUC=0.879と非常に高い精度を示した。これにより、大腸癌の同定のみならず、外科領域で主な癌腫である胃癌・乳癌との鑑別も可能なメチル化パネルであることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組織データでの解析は順調に進行しており、メチル化パネルとしての診断能も非常に高い事が示されている。
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Strategy for Future Research Activity |
1年目の成果として、大腸癌特異的なメチル化パネルの高い診断能が、public data、組織検体、複数のメチル化検出技術(PBAT/WGBSとメチル化アレイ)で再現性をもって確認された。今後は、決勝検体でのメチル化検出技術の開発を進め、cfDNAを用いての診断に有用である事を示していく。
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Causes of Carryover |
来年度の実験消耗品に使用予定。
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