2020 Fiscal Year Research-status Report
乳癌転移性脳腫瘍モデルに対する間葉系幹細胞を用いた腫瘍溶解性ウイルス投与法の開発
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19K16873
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
清水 勇三郎 順天堂大学, 医学部, 助教 (70835511)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 転移性脳腫瘍 / 間葉系幹細胞 / 腫瘍溶解性ウイルス / 転移性脳腫瘍マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
転移性脳腫瘍を形成しやすい傾向のあるヒト由来乳がん細胞株を複数入手し、in vitroの実験を継続している。トランスウェルとマトリジェルを用いたMigration assayを行い、間葉系幹細胞のがん細胞に対する指向性を評価した。Poistive controlとして用いた、ヒト由来の神経膠腫細胞株と比較を行った。使用した乳がん細胞株が、positive controlと比べ同等あるいはそれ以上の指向性を示しており、今後のin vivoでの実験で用いるうえで、有益な結果を得た。 また、より臨床に即した実験系をたてるために、患者由来の乳がん細胞株樹立も継続して行っている。乳がんの転移性脳腫瘍患者に対して頭蓋内腫瘍摘出術を行った際に、摘出した脳腫瘍を用いて初代培養細胞株の樹立、培養を行っている。血清培地を用いた付着細胞培養と、無血清培地を用いた浮遊細胞(スフェロイド)培養をそれぞれ行っているが、いずれも継代されており、凍結保存を行っている。今後は、元の腫瘍の遺伝子発現プロファイルや生物学的特性をよりよく反映しているスフェロイド培養での細胞株も用いて、マウス脳に移植し腫瘍の形成を確認する予定である。 in vivoの実験としては、今後マウスの転移性脳腫瘍モデル作成および薬剤頸動脈投与を行うための実験機材、設備の準備を終えている。転移性脳腫瘍を形成しやすい腫瘍株をマウスの内頚動脈より動脈注射する実験を行った。一定期間の飼育の後、マウス脳を採取した。今後は、脳内に腫瘍が多発巣を形成しているかを組織学的に確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19流行の影響により、学内研究の中断や、共同研究施設からのウイルス入手の時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究施設より腫瘍溶解性ウイルスであるDelta-24-RGDを入手したので、今後は乳がん細胞に対する殺傷効果をin vitroおよびin vivoでも示していく。 また、転移性脳腫瘍モデルを樹立の実験を継続する。具体的には、複数の乳がん細胞株を用いて免疫不全マウスの頸動脈から投与し、脳腫瘍を多発的に形成することをルシフェラーゼを用いた生体イメージングおよび、摘出脳の組織免疫学的染色にて評価、確認し、適切な細胞株の選出を行い、その後にin vivoでの腫瘍殺傷効果を確認する。
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Causes of Carryover |
海外学会での報告を予定していたが、Covid-19流行に伴い、参加を断念した。そのため、交通費による支出が予定より少なくなった。 またin vivo実験開始の遅れにより、マウス購入数が予定よりも少なくなった。2021年度はSurvival studyなどin vivoの実験を行うため、主にマウス購入費として使用する予定である。
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