2023 Fiscal Year Research-status Report
乳癌転移性脳腫瘍モデルに対する間葉系幹細胞を用いた腫瘍溶解性ウイルス投与法の開発
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19K16873
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
清水 勇三郎 順天堂大学, 医学部, 助教 (70835511)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腫瘍溶解性ウイルス / 間葉系幹細胞 / 転移性脳腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
転移性脳腫瘍を形成しやすい傾向のあるヒト由来乳がん細胞株を複数入手し、in vivoの実験を継続している。 マウスの転移性脳腫瘍モデル作成および薬剤頸動脈投与を行うための実験機材、設備を整え実験を継続している。マウスモデル作成の実験として、ヒト由来乳癌細胞株にLuciferaseを遺伝子導入してから、内頸動脈から動脈注射する実験を行った。一定期間の飼育の後、in vivo イメージングシステムにて腫瘍形成を評価したが、頭蓋外への腫瘍形成を認めており、より頭蓋内に特異的に腫瘍を形成する細胞株を選定している。 免疫不全レベルの高いSCID Beigeマウスを用いた実験も行い、より高い精度で腫瘍が生着するモデルの作成を行なっている。さらに臨床に即した実験系をたてるために、患者由来の乳癌細胞株樹立も継続して行なっている。手術により摘出した乳癌原発の転移性脳腫瘍検体を用いて初代細胞培養を行っている。培地は従来の血清を含むものに加え、腫瘍の幹細胞性を維持した株を樹立するため無血清培地を用いた樹立の実験を行なっている。 所有する腫瘍溶解ウイルスのストックが減ってきたためキットを購入して複製を試みたが、実用的な濃度のウイルスを得られなかった。複数のウイルス精製キットを購入してみたが同様の結果であった。そのため、国内で外注を受け入れている会社を複数選定し相談をしたところ、そのうち1社が対応可能であったため発注した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroを中心とした実験を継続的に行なった。 腫瘍溶解ウイルスのストックを増やすためのキットを用いた実験に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivo実験を中心に進めていく。 転移性脳腫瘍モデルを確立し、それを用いた治療効果検証のための実験をすすめていく。 また、in vitroでの腫瘍殺傷効果の実験も継続して行う。
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Causes of Carryover |
使用可能な腫瘍溶解ウイルスが減ったため、複製に時間を要した。そのため、in vivoの実験が減り予定していたよりも免疫不全マウスの購入が減った。 次年度に免疫不全マウスの購入を予定している。
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