2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of intra-tumoral heterogeneity of actionable genetic variations in Ovarian Clear Cell Carcinoma
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19K16874
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
竹中 将貴 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00433988)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 卵巣明細胞癌 / 腫瘍内不均一性 / 次世代シークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣明細胞癌における治療関連遺伝子異常の腫瘍内不均一性を明らかにするために、卵巣明細胞癌の原発病巣および転移病巣を対象として、治療関連遺伝子のターゲットシークエンスを行っている。所属施設で手術により採取された進行卵巣明細胞癌症例における複数病巣のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を対象として研究を開始した。 進行卵巣明細胞癌11症例から採取された68病巣のホFFPEを用いて、ゲノムDNAの抽出し、84種類の卵巣明細胞癌関連遺伝子を含むカスタムパネルを用いたターゲットシークエンシングを施行した。ターゲットリージョンにおけるDepthの中央値は523.7で、標的としたのゲノム領域遺伝子変異を検出する上で十分なリード数を確保できたと考えられる。ARID1A, PIK3CA, KRASなど、卵巣明細胞癌における既知の遺伝子変異は、既報と類似した頻度で同定されており、さらに症例によっては低頻度ながらいくつかの治療標的となりうる遺伝子変異が検出されている。 現在は同定された遺伝子変異におけるIGV (Integrated Genomics Viewer)による確認と、不均一性が疑われる遺伝子異常のサンガーシークエンスを用いたバリデーションを施行している。IGVレビューおよびバリデーションにより、対象サンプルにおける最終遺伝子変異リストが明らかとなり、卵巣明細胞癌における治療関連遺伝子異常の腫瘍内不均一性が明らかになるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、対象サンプルの選定、DNA抽出、ターゲットシークエンシングを終え、現在は遺伝子変異の最終的なバリデーションを施行している。バリデーションが終了後に遺伝子変異リストが確定し、進行明細胞癌における治療関連遺伝子異常の不均一性が明らかになると考えられる。本進捗状況は当初計画していた進捗状況と概ね同等で、順調に進行していると考えている。今年度は、現在進行中の遺伝子変異のバリデーションを終了し、さらなる解析の追加と論文作成を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の遺伝子変異のバリデーションにより、進行明細胞癌における治療関連遺伝子異常の不均一性が明らかになると考えられる。各サンプルごとの治療関連遺伝子異常の不均一性を明らかにするのみならず、サンプルごとの比較や、病巣の種類(原発巣、播種巣、リンパ節転移巣、遠隔転移巣など)ごとの比較により、サンプル間の遺伝子変異の特徴や、病巣ごとの遺伝子異常と不均一性の関連を明らかにし、進行明細胞癌に対して最も有力となりうる遺伝子異常を同定することができると考えている。注目すべき不均一性を示すサンプルに関しては、今後さらに研究費を獲得し、全エクソームシークエンスのようなより詳細な遺伝子解析を行い対象サンプルにおける詳細な癌化のメカニズムの解明を目指す。
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Causes of Carryover |
2020年度までに本研究の主研究手法である次世代シークエンサーを用いたターゲットシークエンシング解析は終了し、2021年度はSanger変異を用いた遺伝子変異のバリデーションおよび論文作成を予定している。本年度使用額を用いてこれらの工程を完了し、予定通り研究を完遂できるものと考えている。
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