2020 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病患者へのがん化学療法レジメン提案に向けた基礎・臨床での有効性・安全性評価
Project/Area Number |
19K16877
|
Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
池村 舞 神戸学院大学, 薬学部, 講師 (60709278)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 糖尿病 / がん化学療法 / フルオロウラシル |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病患者では、がんの罹患率が高く、死亡率も高いことが知られているが、その原因などは十分に明らかにされていないのが現状である。糖尿病患者におけるがんの罹患率・死亡率の高さには様々な原因が考えられるが、本研究では、糖尿病患者におけるがん化学療法の有効性や安全性に着目し、それらががんによる死亡率の高さに及ぼす影響について検討を行うこととした。 昨年度は、医療機関において、電子カルテを用いて糖尿病を有する大腸がん患者と有さない大腸がん患者におけるがん化学療法の実態について調査を進めたが、今年度は、動物を用いた基礎的検討として、抗がん剤の安全性に関する検討を中心に進めた。膵β細胞を選択的に破壊するストレプトゾトシンを用いて、高血糖モデルマウスを作製した。抗がん剤としては、昨年度同様、大腸がんに焦点を絞り、大腸がんのレジメンで頻用されるフルオロウラシルを用いることとした。高血糖モデルマウス、正常血糖マウスに、フルオロウラシルもしくは生理食塩水を繰り返し投与した。その結果、フルオロウラシルを繰り返し投与した高血糖モデルマウスでは、フルオロウラシル投与後比較的早期での死亡が認められた。 以上より、高血糖状態では、フルオロウラシルの毒性が強く出る可能性が示唆された。今後は、糖尿病を有する大腸がん患者における実態調査の結果と照らし合わせながら、高血糖モデルマウスにおけるフルオロウラシルによる毒性についての詳細についても検討していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
休職時の遅れを取り戻せていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、モデルマウスを用いて、抗がん剤投与による抗腫瘍効果や安全性に及ぼす影響について検討を進める。また、患者における実態調査も並行して進める。
|
Causes of Carryover |
予定通りに研究が進まなかった。当該年度に計画していた研究で使用予定であったものを次年度以降に使用する。
|
Research Products
(1 results)