2020 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を用いたニューラルオシレーションの非正弦性機能メカニズムの解明
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19K16891
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大城 武史 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員(常勤) (70807875)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ニューラル・オシレーション / 非正弦性 / Sharp-waves ripples / MEG / ECoG / Phase Amplitude Coupling |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究業績は、主に2つの成果に集約される。第一に、2020年度に開催された日本神経科学学会の公募シンポジウムにおいて、オーガナイザーとして本研究課題内容で応募し採択された。このシンポジウムでは、ニューラル・オシレーションの非正弦性に着目し研究を行っている世界有数の研究者である、Mike X Cohen氏とNichole Swann博士を招き、ニューラル・オシレーションが持つ非正弦性の意義について議論を交わした。また、本シンポジウムでは、本研究代表者として、従来非侵襲的な計測手法(例 脳磁図)では検出が困難とされてきたSharp waves-Ripples (SPW-Rs)が検出可能であることを、頭蓋内電極(ECoG)との同時計測によって報告した。この検出には、一般化固有値分解(GED)と呼ばれる手法を用いている。SPW-Rsの検出にGEDを用いたのは本研究が初めての試みであった。また、SPW-Rsは主に海馬の神経細胞集団の同期的な発火によって生じるオシレーション成分である。その為、非正弦的な特徴を大きく有している。本発表では、SPW-Rsが有する非正弦性特徴についても報告した。 第二に、ニューラル・オシレーションの非正弦的な特徴を反映する現象であるPhase Amplitude Coupling(PAC)を定量化する新たな計算手法を開発した。これまでの先行研究によって、PAC定量化の際にオシレーションの非正弦性がその計算結果に大きな影響を及ぼす問題が指摘されていた。この新手法はこの問題を回避でき、且つPACの機能性を神経生理学的により意味のある形で評価可能な新手法を開発した。これまでの進行状況で、この新手法は神経生理学的に妥当な非正弦的な特徴を有したシミレーションデータや齧歯類やヒトから取得した実データーに対しても適切に機能することを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究成果に関しては既に学会等において報告出来ており、これに加えてあらたに2つの解析手法を独自に開発するなど、当初の計画以上に進捗できているため、このような評価となった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果や新たに開発した手法の論文化に取り組むことを予定している。
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Causes of Carryover |
昨年度購入予定であった物品が、メーカの都合で年度内中の納品できなくなった為、キャンセルとした。これにより、今年度異なった代替え物品を発注し、研究計画の遅れを防ぐことを予定している。
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Research Products
(5 results)