2020 Fiscal Year Research-status Report
神経炎症に起因する統合失調症霊長類モデルの妥当性評価および画像マーカーの確立
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19K16896
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鴻池 菜保 京都大学, 霊長類研究所, 特定助教 (80645169)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 聴性定常反応 / 脳波 / サル / 種間比較 / 動物モデル / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は現在開発中である神経炎症仮説に基づいて作出した統合失調症霊長類モデルの評価を目的としている。当該年度までに、健常コントロール個体のアカゲサル5頭、マーモセット7頭、疾患モデル個体のアカゲザル2頭、マーモセット3頭からの脳波計測を実施した。ヒトの統合失調症では40Hzでの刺激に同期するγ帯域活動の低下が報告されている。一方、健常アカゲザルとマーモセットで一部異なる聴性定常反応を認めたため、呈示刺激の至適パラメータの調整をおこなった。そのうえで、健常個体と疾患モデル個体での比較検討を行った。さらに、これまで健常アカゲザルおよびマーモセットでの非侵襲的な頭皮上測定方法による聴性定常反応の先行報告がないため、呈示刺激の周波数の検討と合わせて国際学術誌に投稿するため、論文作成をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
機能的MRI実験は装置の問題によりまだ着手できていない状況である。一方、脳波計測実験は順調に進んでおり、かなりの個体からデータを収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はMRI実験の実現に向けて準備を進めていく一方、脳波実験についても抗精神病薬の投与による変化を検討する。また、疾患モデル個体で見られたガンマ帯域の脳波同期減弱へのNMDA受容体の関与についても検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19流行のため、成果発表を予定していた国際学会が開催されなかった。このため、予定していた旅費および演題登録料を使うことができなかった。
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