2020 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の内因性カンナビノイド系プロファイルと臨床表現型の解析
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19K16898
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大橋 圭 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10824576)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 内因性カンナビノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度も含め自閉スペクトラム症の患者47人(男児36人、女児11人、年齢(中央値) 14.3歳)から協力を得て、検体収集・臨床表現型の評価を行った。末梢血白血球から抽出したmRNAを用いてRT-PCRにより、CB1受容体,CB2受容,FAAH(fatty acid amide hydrolase),MAGL(monoacylgrycerol pipase)のmRNAの発現量の測定を行った。臨床表現型の評価としてAQ (Autism-Spectrum Quotient)児童版を用いて自閉症傾向, 下位尺度の評価、SRS (Social Responsiveness Scale) -2を用いて社会的コミュニケーションと対人相互反応交流, 興味の限局と反復行動, 下位尺度の評価、ADHD-Rating Scaleを用いて多動衝動性, 不注意の評価を行った。 AQ児童用の総得点(中央値)は29.5、SRS-2の合計のT得点(中央値)は80であった。AQ児童用の総得点とそれぞれのmRNAの発現量との統計学的に有意な相関は認めなかったが、CB1受容体のmRNAの発現量と下位尺度である“注意の切り替え”(rs=-0.372, p=0.03)、CB2受容体のmRNAの発現量と“注意の切り替え” (rs=-0.329, p=0.05)および“想像力”(rs=-0.529, p=0.01)に統計学的有意に相関を認めた。一方で、それぞれのmRNAの発現量とSRS-2の各スコア、DHD-RSの各スコアに関しては統計学的に有意な相関は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVI-19の感染拡大のため新規の患者のリクルートが行うことが困難のため。また、測定機器の調整のため内因性カンナビノイド(AEAおよび2-AG) の測定が行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
対象患者のリクルートに並行して、定型発達児のリクルートを行う。測定機器の調整が終了後、速やかに採取済みの検体を用いて内因性カンナビノイド(AEAおよび2-AG) の測定を行う。
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Causes of Carryover |
昨年度、行えなかった患者群および対象群のリクルートを行う。また測定機器の調整中であり、本測定が行えておらず、翌年度にまとめて測定を行う。
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