2021 Fiscal Year Research-status Report
行動療法が自閉症の社会性障害を改善するメカニズムの解明
Project/Area Number |
19K16902
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
村上 浩子 (古田島浩子) 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主任研究員 (60619592)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 行動療法 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自閉スペクトラム症の行動療法による改善効果のメカニズムの候補の一つとして、後天的な遺伝子修飾(エピジェネティクス)に着目し解析を行っている。昨年度において、ペア飼育(パターン1: 野生型-野生型、 パターン2: 野生型-Tsc1+/-、 パターン3: Tsc1+/--Tsc1+/-)の自閉症様行動への評価を終え、匹数を追加し解析を進めたところ、脳重量にも変化が見られる可能性があり、現在解析中である。さらに、メチル化解析により、社会性行動障害の改善に寄与するメチル化を受けた遺伝子の候補を絞り、GO解析やpathway enrichment解析を行った。また、本研究はTsc1+/-マウスを使用しているため、mTORシグナル経路にも着目し解析を進めている。現在、7週齢から介入を開始し、介入の時期を遅くしても社会性行動障害に影響するかを検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介入の時期を7週齢から開始した遅い介入時期の検討も行っているがマウスの出産状況が遅く、当初の予定より遅延しているが、解析は順調に進んでいる。これらより、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
メチル化解析に関しては、今後論文化に向けて詳細に解析を進める。具体的には、複数の解析ソフトウェアを用いて、重要なpathwayや着目すべき遺伝子を絞る予定である。特に見出された重要な遺伝子とmTORシグナル経路との関連解析を行う。また、メチル化を受けた遺伝子部位に関しても解析を進めていく。さらに、7週齢からの飼育に関しても行動解析を出産状況に応じて進め匹数を追加し、3週齢で介入したマウスと比較していく。7週齢からの飼育のマウスに関して、メチル化解析を行うかは、行動解析結果によって判断する予定である。
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Causes of Carryover |
7週齢から遅く介入するためのマウスを飼育していたが、出産状況が円滑にいかなかった時期があり、次年度使用額が生じた。今年度は、出産状況に応じ、優先的に行動実験を行うため、マウス購入費や論文化に向けた追加実験費用に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Exposure to GABAA Receptor Antagonist Picrotoxin in Pregnant Mice Causes Autism-Like Behaviors and Aberrant Gene Expression in Offspring2022
Author(s)
Kotajima-Murakami H, Hagihara H, Sato A, Hagino Y, Tanaka M, Katoh Y, Nishito Y, Takamatsu Y, Uchino S, Miyakawa T, Ikeda K
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Journal Title
Front Psychiatry
Volume: 13
Pages: 821354
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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