2019 Fiscal Year Research-status Report
若年性ミオクロニーてんかんにおける脳磁図所見のデータベース化に向けて
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19K16916
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
香川 幸太 広島大学, 病院(医), 助教 (40726981)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳磁図 / 若年ミオクロニーてんかん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究が学内の倫理委員会に承認された。倫理委員会の承認を得た後、2020年2月より若年ミオクロニーてんかん患者に対して脳磁図検査施行開始した。現在、4例につきデータ収集を行った。4例については、脳波上の全般性棘徐波に相当する異常波につき脳磁図傾斜磁場トポグラフィ解析を行った。300fT/cm以上の傾斜磁場を有する領域を活動領域とみなし、3D脳表上での活動領域の分布および経時的変化を評価した。いずれの症例においても、活動領域は左右いずれかの側の中心頭頂領域から発生し、0-15ミリ秒の時間差で対側に広がっていた。4例中3例では、活動領域の発生に左右差を認めなかったが、1例では左側からの発生が多かった。若年ミオクロニーてんかんは薬剤でコントロールできる場合が多く、primary bilateral synchronyの機序が想定される全般てんかんである。これまでの脳波に基づく研究では、若年ミオクロニーてんかんにおける全般性棘徐波発生が大脳皮質のうちどの領域と関与するか評価困難であった。脳磁図は時間・空間分解能が優れているため、大脳半球における活動領域の局在を評価可能である。今後、さらに症例数を蓄積しデータ解析を進める予定である。本研究は、若年ミオクロニーてんかんの病態解明に寄与しうるものである。若年ミオクロニーてんかんの脳磁図データを蓄積することは、今後薬剤抵抗性でsecondary bilateral synchronyが想定される症候性全般てんかんに対する病態把握や術前評価を行う際に基準となる所見として役立つことも期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学内の倫理委員会の承認を得るまでに時間が経過した。2020年2月よりデータ収集を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きデータ収集を行う。並行して、脳磁図データの傾斜磁場トポグラフィ解析を進める。
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Causes of Carryover |
データ収集開始が遅れたため、研究開始が全体的に遅れているため。次年度も引き続きデータ収集および検査結果の解析を進める。
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