2021 Fiscal Year Research-status Report
若年性ミオクロニーてんかんにおける脳磁図所見のデータベース化に向けて
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19K16916
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
香川 幸太 広島大学, 病院(医), 助教 (40726981)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | regional network / magnetoencephalography / generalized epilepsy |
Outline of Annual Research Achievements |
若年ミオクロニーてんかん症例15例につき30分から60分、発作間欠期の脳磁図記録を行った。うち5例では異常波が捕捉できなかった。残り10例(平均年齢20.6歳、男性5例、女性5例)では発作間欠期棘徐波が認められ、これらに対して傾斜磁場トポグラフィ解析を行った。合計65個の発作間欠期棘波を解析対象とした。傾斜磁場が300fT/cmを超える領域を活動領域と定義した。3次元脳表上における最初の活動領域出現の局在は、いずれかの半球の前頭葉: 39個 (60%)、中心領域: 4個 (6%)、頭頂葉: 22個 (34%)であった。同一半球内において、中央値3ミリ秒の時間差で前頭葉と頭頂葉の両方に活動がみられる所見(double foci)が33個(51%)の棘波で認められた。対側半球においては、中央値7ミリ秒の時間差をもって活動の出現が認められた。対側半球における活動出現の局在は、前頭葉: 26個 (59%)、中心領域: 5個 (11%)、頭頂葉: 13個 (30%)であった。その後、活動は脳全体に拡がっていく所見が認められた。若年ミオクロニーてんかんにおける棘徐波発生においては前頭・頭頂連合野を含むregional networkの関与が示唆された。これまで若年ミオクロニーてんかんは全般てんかんに分類されていたが、本疾患のてんかん原は前頭・頭頂連合野に存在する可能性がある。現在、結果をまとめ論文執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被検者が思うように集まらず、やや研究が遅れた。現在は結果をまとめ、論文執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、結果をまとめ論文執筆中である。海外の雑誌に投稿を計画している。また、被検者の募集は続行しており、対象症例および解析対象となる棘波を増やしたデータ解析も行う予定である。これについては海外学会にて成果発表予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響もあり被検者が思うように集まらず研究が遅れた。現在は論文執筆中である。また、コロナ感染症の影響で予定していた海外学会発表ができていない状況である。今年度中に可能であればアメリカてんかん学会にて発表予定である。残額が1,192千円あるが、うち375千円を脳磁図測定費用に、500千円を海外学会発表費用に、200千円を論文投稿費用に使用予定である。
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Research Products
(2 results)