2019 Fiscal Year Research-status Report
耐性を生じない鎮痛薬を志向した新規μ-δヘテロダイマー受容体選択的作動薬の創出
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19K16926
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
平山 重人 北里大学, 薬学部, 助教 (40565842)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オピオイド / ヘテロダイマー / 鎮痛薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画ではキノキサリン環を有するナルトレキソン(NTX)誘導体SYK-664の構造変換を行うことになっていたが、その後の検討より14位の水素がOH基(SYK-663)となってもμ-δ受容体への作動活性に影響が無いことを見出している(研究課題16K19216にて報告済み)。原料であるNTXは14位にOH基を有することからSYK-663はSYK-664と比較し、脱水と水素化を行わない為、誘導体合成が簡素化出来ると考え、SYK-663を基に誘導体を合成する事とした。17位窒素置換基の変換を目的とし、既報に従い3位にメトキシ基を有するSYK-663誘導体に無水酢酸等を用いて14位のAc化を試みた。種々検討を行ったが無反応か14位の脱水反応が進行してしまう結果となった。また、他の方法も試みたが十分な結果は得られなかった。本ルートでの誘導体合成は諦め、17位窒素置換基にBn基を有するキノキサリン誘導体を合成し、水素添加反応を用いて脱Bn化し、種々置換基を変換することとした。現在、17位窒素置換基にBn基を有するキノキサリン誘導体の合成が終了している。 以前のスクリーニング結果から6,14-エポキシモルヒナン誘導体の中に作動活性が弱いながらもμ-δ受容体に選択性がある化合物が見出された。そこで新規6,14-エポキシモルヒナン誘導体の合成にも着手した。アミド側鎖にPh基(SYK-1000)、Bn基、フェネチル基を有する誘導体を合成し、評価を行ったところ、μ-δ受容体の作動活性の強さはPh基>Bn基>フェネチル基の順となった。SYK-1000はμ-δ受容体作動薬であるML335と比較し、同等の作動活性と高いμ-δ受容体選択性を有することを見出した。さらにTopliss treeに従い、Ph基のパラ位にCl基を導入し、評価を行ったところ、μ-δ受容体作動活性の低下が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キノキサリン誘導体の合成にはやや遅れが生じているが6,14-エポキシモルヒナン誘導体SYK-1000の取得に成功し、少しではあるが構造活性相関情報が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
キノキサリン誘導体合成に関しては17位窒素の脱Bn化を行い、種々置換基を導入し、評価を行う。SYK-1000誘導体合成に関しては引き続きTopliss treeに従い誘導体を合成し、評価を行う。
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Research Products
(1 results)