2020 Fiscal Year Research-status Report
耐性を生じない鎮痛薬を志向した新規μ-δヘテロダイマー受容体選択的作動薬の創出
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19K16926
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
平山 重人 北里大学, 薬学部, 助教 (40565842)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 鎮痛薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
17位窒素置換基にBn基を有するキノキサリン誘導体を用いて種々誘導体の合成を試みた。まず、17位窒素置換基を変換するため、脱Bn化反応を検討した。Pd/Cを用いて水素添加反応を行ったが進行しなかった。続いて酢酸を添加し検討を行ったところ、脱Bn化と共に14位のOH基の脱離が起こり、8,14-オレフィン体を得ることになった。Pd(OH)2に変更し水素添加反応を行った所、脱水反応は進行せずに脱Bn化を行うことが出来た。17位NH体を得た後、還元的アミノ化反応を用いて直鎖アルキル基およびフェニル基を有する官能基を導入する事とした。脱Bn化の際に酢酸を添加することで脱水反応が進行したことから、還元的アミノ化の際に酸を添加せずに行った。種々のアルデヒドとNH体とをトリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム存在下、1,2-ジクロロエタン中で反応させることで所望の化合物を得ることが出来た。導入した官能基は直鎖アルキル基ではMe基からpentyl基の5種類、フェニル基を有する官能基はphenethyl基からphenylpentyl基の4種類とした。さらに中間体であるBn体を含め、評価化合物を10種合成した。合成した化合物は現在、評価中である。 もう1つのμ-δ受容体作動薬候補化合物である6,14-エポキシモルヒナン誘導体合成についてはTopliss treeに従い、Ph基のパラ位にOMe基を導入した化合物を現在評価中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は特殊な状況下であり、17位窒素置換基の変換は行えたが、キノキサリン環上の置換基効果については検討を行えなかった。また、6,14-エポキシモルヒナン誘導体合成に関しても1化合物に留まった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に合成した化合物により17位窒素置換基の情報は得られることから2021年度はその情報をふまえ、17位窒素置換基の変換を継続するとともにキノキサリン環上に置換基導入し、置換基効果を検討する。
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Causes of Carryover |
特殊な状況下、時間の確保が難しく、研究が予定通り進まなかったため、次年度使用額が生じた。次年度は今年度の経験を活かし、効果的に構造活性相関情報を得られる化合物設計および効率的な合成を行うために適切な試薬、器具を購入する。
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