2021 Fiscal Year Annual Research Report
耐性を生じない鎮痛薬を志向した新規μ-δヘテロダイマー受容体選択的作動薬の創出
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19K16926
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
平山 重人 北里大学, 薬学部, 助教 (40565842)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | μ-δ受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に合成した異なる17位窒素置換基を有するキノキサリン誘導体10化合物の評価を行った。その結果、親化合物と比較し、直鎖アルキル基ではn-Propyl基、n-Pentyl基を有する化合物のδ/μ-δ選択性が向上していた。Ph基を有する置換基ではBenzyl基、Phenylpropyl基を有する化合物のδ/μ-δ選択性が向上した。一方、その他の置換基は選択性を低下させる結果となった。なお、合成した化合物は親化合物と同様にμ受容体作動活性をほとんど示さなかったため、選択性を比較出来なかった。得られた結果から受容体選択性には置換基の長さが関係することが分かった。つまり、n-propyl基とbenzyl基、n-pentyl基とphenylpropyl基とが同じような距離に置換基が配置されると考えられ、この距離が受容体選択性向上に寄与していると推察した。Emax (μ-δ)を比較するとn-propyl基>benzyl基、n-pentyl基<phenylpropyl基となることから、17位窒素から炭素3個分の距離にphenyl基よりも小さい置換基を、炭素5個分の距離に大きな置換基を入れると選択性と活性の向上が見込めると考えた。合成の容易さから炭素3個分の距離に置換基を導入する事とした。導入置換基はpropargyl基、allyl基、isobutyl基、cyclobutylmethyl基、cyclopentylmetyl基、cyclohexylmethyl基とし、化合物を合成した。評価に関しては現在検討中である。 もう1つのμ-δ受容体作動薬候補化合物である6,14-エポキシモルヒナン誘導体合成についてはTopliss treeを参考にPh基のパラ位にメトキシ基を導入した化合物を合成、評価を行ったがμ/μ-δ、δ/μ-δ選択性ともに向上しなかったため、さらなる化合物設計を行わなかった。
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