2020 Fiscal Year Annual Research Report
領域特異的なiPS細胞由来神経幹細胞を用いた脊髄損傷に対する新しい再生医療の開発
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19K16927
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
今泉 研人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (10835846)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 領域特異性 / iPS細胞 / 神経幹細胞 / 脊髄損傷 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
神経幹細胞を用いた脊髄損傷に対する細胞移植治療のメカニズムは未だ完全には明らかとなっていない。一方で、脳の各領域ごとに神経幹細胞は異なる特性・機能を有しており、脊髄損傷を治療するメカニズムも、移植する神経幹細胞の領域特性によって異なることが予想される。本研究では、iPS細胞から前脳型および脊髄型の２種類の異なる脳領域情報を持った神経幹細胞を作出し、それぞれを脊髄損傷マウスモデルに移植することで、神経幹細胞が持つ脳領域情報が脊髄損傷治療に与える影響を明らかにする。昨年度までの研究により、1) iPS細胞から領域特異的な神経幹細胞を安定的に作出する技術を開発し、2) 脊髄損傷モデルマウスへの移植において、脊髄型神経幹細胞の方が、前脳型よりも高い運動機能改善効果を示すことを見出した。今年度は、この領域特異的な神経幹細胞による治療効果の差異を引き起こすメカニズムにアプローチする目的で、ホスト神経回路をトレーサー技術によってラベリングして、ホスト神経回路と移植細胞の相互関係を詳細に探索した。その結果、前脳型よりも脊髄型神経幹細胞の方が顕著に、ホスト神経回路と移植細胞の接続を引き起こしていることが示唆された。以上の結果から、iPS細胞由来神経幹細胞を用いた脊髄損傷治療において、脳領域特異性は治療効果に影響を与える重要なファクターでああり、特にホスト神経回路との相互関係に影響することが示唆された。
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