2020 Fiscal Year Research-status Report
血中alpha-synucleinの解析で明らかになる病態特異的な伝播メカニズム
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19K16928
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
奥住 文美 順天堂大学, 医学部, 助教 (90826075)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | alpha-synuclein / RT-QuIC / パーキンソン病 / 多系統萎縮症 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD)および多系統萎縮症(MSA)は進行性の難病であり、責任タンパク質であるalpha-synuclein (AS)の凝集体沈着が共通病理として認識されている。我々は、異常タンパク質を増幅する技術であるRT-QUIC (Real-time quaking-induced conversion)を利用することでPDおよびMSA患者の血清中を循環する構造異常を伴う微量ASを検出することに成功した(特開2018-159694)。今年度の実験ではPD患者200症例、健常コントロール100例、MSA患者30例、疾患コントロールとしてアルツハイマー病患者10例、進行性核上性麻痺患者9例まで患者数を増やしてRT-QUICを行い解析した。血液サンプルで感度特異度90%で、PDおよびMSAなどのシヌクレイノパチーと健常コントロール含めた非シヌクレイノパチーとが鑑別可能であることを示した。今年度はPDおよびMSAの血液RT-QUICから得られた産物において、AS構造の違いについて詳細な検討を行った。その結果PD患者由来のASと比較してMSA由来ASは短径が短いことが確認された。形態学的にはPDではtwisted paired filaments、MSAではtwisted filamentsおよびstraight filamentsを呈した。さらに、ASのC末端にGFPが融合した、AS凝集能がより高いA53T変異をもつASをHEK293細胞に安定発現させた細胞株を作成し、線維化したASをシードとして細胞に導入し、細胞内でGFP-ASの凝集体を形成させた。細胞内AS-GFP凝集体の密度を解析したところ、MSAではPDと比較して有意に凝集体の密度が高く、感度特異度高く両者を区別することが可能となった。血清ASシードがシヌクレイノパチーに特異的であり、その構造が異なることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、RT-QuIC法を用いて多数例のコホートに関して血清ASシードを解析し、感度・特異度を割り出し診断バイオマーカーとしての有用性を検討した。パーキンソン病、健常人、多系統萎縮症、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、家族性パーキンソン病(PARK2)についての検討を完了し、診断に有用なバイオマーカーとして確立した。また血清由来RT-QuIC産物を電子顕微鏡および細胞実験を用いて解析しPDおよびMSAを区別することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後細胞実験においてシヌクレイノパチーおよびコントロール、非シヌクレイノパチーのN数を増やしてさらなる解析を行う。またin vivoの実験において血清由来RT-QuIC産物に伝播能があるか、またその伝播能はPDとMSAで異なるかを確認する。さらにASが取り込まれる細胞にPDとMSAで違いがあるかを免疫組織学的染色およびフローサイトメトリーを用いて解析する。伝播や取り込まれる細胞が異なった場合、その因子についてさらに解析する。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で納期未定や2021年度にしか入荷できない試薬や物品があり、残額が生じた。2021年度には入荷予定のため、早々に購入し実験を進めているため、研究上の遅れはほとんど無いと考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Shared Metabolic Profile of Caffeine in Parkinsonian Disorders.2020
Author(s)
Takeshige-Amano H, Saiki S, Fujimaki M, Ueno SI, Li Y, Hatano T, Ishikawa KI, Oji Y, Mori A, Okuzumi A, Tsunemi T, Daida K, Ishiguro Y, Imamichi Y, Nanmo H, Nojiri S, Funayama M, Hattori N.
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Journal Title
Mov Disord
Volume: 35
Pages: 1438-1447
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Identifying Therapeutic Agents for Amelioration of Mitochondrial Clearance Disorder in Neurons of Familial Parkinson Disease.2020
Author(s)
Yamaguchi A, Ishikawa KI, Inoshita T, Shiba-Fukushima K, Saiki S, Hatano T, Mori A, Oji Y, Okuzumi A, Li Y, Funayama M, Imai Y, Hattori N, Akamatsu W.
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Journal Title
Stem Cell Reports.
Volume: 14
Pages: 1060-1075
Peer Reviewed
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[Journal Article] Variants in saposin D domain of prosaposin gene linked to Parkinson's disease.2020
Author(s)
Oji Y, Hatano T, Ueno SI, Funayama M, Ishikawa KI, Okuzumi A, Noda S, Sato S, Satake W, Toda T, Li Y, Hino-Takai T, Kakuta S, Tsunemi T, Yoshino H, Nishioka K, Uchiyama Y, Akamatsu W, Wu YR, Matsuda J, Hattori N
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Journal Title
Brain
Volume: 143
Pages: 1190-1205
DOI
Peer Reviewed
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