2021 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患iPS細胞研究の基盤となる老化脳内環境モデルの確立
Project/Area Number |
19K16930
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
志賀 孝宏 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任助教 (50784378)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 老化 / iPS細胞 / グリア |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病やパーキンソン病を含む神経変性疾患を患うヒトの増加が懸念されているが、神経変性疾患には根本的な治療は存在しておらず、いまだに対処療法が主である。申請者は、化合物を用いた加齢速度の調節(老化)とグリア系細胞との共培養(脳構造)を組み合わせた、新たなデバイスを作成し、高齢発症新家変性疾患の病態解析への応用を目指している。 2021年度は、昨年度行うことができなかった以下の研究計画を実地した。①昨年度、我々が同定した化合物を用いた人為的な老化促進技術は、iPS細胞由来ドパミン作動性ニューロンの自己発火頻度を増加させるだけではなく、老化速度も促進することを確認した。2021年度は、同定した化合物がパーキンソン病iPS細胞だけではなくアルツハイマー病の病態表現型を短期間の培養で検出できることを明かにした。②昨年度まで使用していたグリア分化誘導法を改良し、高効率なiPS細胞由来アストロサイト誘導法を作製した。改良したニューロン・アストロサイトの共培養は神経発火を早く検出することが可能であることを見出した。③これまでの解析は、健常者iPS細胞からアストロサイトを誘導して共培養を行っていた。2021年度は、複数の遺伝性パーキンソン病iPS細胞から効率的にアストロサイトを誘導することに成功したため、疾患iPS細胞から誘導したニューロン・アストロサイトの共培養が可能となった。 現在、成熟/老化促進化合物を用いて、健常者およびパーキンソン病iPS細胞から誘導したアストロサイトを用いたニューロンとの共培養を行い、より脳内環境に近い状態で病態表現型の検出を行うことが可能かを検討している。
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Research Products
(4 results)