2021 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞内に生じる新規幹細胞の動態解析と遺伝子改変マウスを用いた神経再生機構の解明
Project/Area Number |
19K16934
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
土居 亜紀子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70793321)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 傷害誘導性神経幹細胞 / ペリサイト / 神経再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では細胞の生体内動態の解析に用いられているCre-loxPシステムを活用し、神経再生機構の鍵を握る新規幹細胞(脳傷害誘導性神経幹細胞:injury induced-Neural Stem/Progenitor Cells, iNSPCs)の生体内トレースを行うことで脳梗塞後の内因性神経再生機構を明らかにすることを目的とする。nestinプロモーターの制御下にGFPを発現するマウスB6.Cg-Tg (Nestin-EGFP) 1Yamm transgenic mice(nestin-GFP組換えマウス)とCB-17/Icr-Jclマウスと戻し交配し、脳梗塞後長期生存可能なnestin-GFP組換えマウス(CB-17系統)の新規作製し、梗塞領域とSVZ領域からspheroid形成能の検討を行ったところ、どちらからもNSPCマーカーであるnestin、SOX2を発現するspheroidが作製された。PCRの結果から、SVZ由来のspheroidと比較して梗塞領域由来のspheroidではPDGFRβの遺伝子発現レベルが高いことが示された。本研究により脳梗塞病態時においては梗塞領域及びSVZ に神経分化能を有する幹細胞が誘導されたが、両者の細胞特性や起源は異なることが示唆された。また、本研究により樹立したNestin-GFP組換えマウス(CB-17 系統)は、再現性や生存率が高いことから、脳梗塞病態時において、神経幹細胞を起点とした組織修復及び神経再生機構の解明や評価に極めて有用なツールとなり得ると考えられる。
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Research Products
(3 results)