2020 Fiscal Year Research-status Report
R3hdmlを用いた筋腎連関の機序解明および新規治療戦略の確立
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19K16942
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石川 崇広 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (00749426)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋腎連関 / 糖尿病性腎症 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会を迎えた我が国ではCKDやサルコペニアの増加が問題となっている。両者はしばしば合併し「筋腎連関」という共通のメカニズムの存在が示唆されるものの、その機序はこれまで不明であった。我々はこれまで新規遺伝子であるR3hdmlの研究を行い、その過程でR3hdmlは分泌タンパクであること、さらにR3hdmlを過剰発現すると糖尿病性腎症の進展抑制の可能性や筋障害の回復が早まることを見出している。以上より我々は、R3hdmlに対する研究を通して「筋腎連関」の病態メカニズムを解明し、R3hdmlによるCKD/サルコペニアの新たな治療戦略を確立することを本研究の目的としている。 具体的には以下の2つが研究の中心となる。 ① R3hdmlを用いたCKD/サルコペニアを対象とした新規バイオマーカーの開発 ② R3hdmlによるCKD/サルコペニアの進展抑制に繋がる新たな治療法の確立 2年目の昨年は、我々は①の開発に先立ち、糖尿病・サルコペニア肥満マウスモデルの検体を使用したメタボローム解析を実施した。また1年目に引き続き②の研究を進めるため、特に糖尿病マウスモデルを用いたR3hdmlの機能解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの野生型およびR3hdmlノックアウトマウスを用いた糖尿病モデルマウスでの検討において、我々はR3hdmlを欠損すると糖尿病性腎症が悪化する結果を見出している。今回はさらにアデノウィルスを用いたR3hdml過剰発現モデルを開発し、糖尿病モデルマウスに投与を行った。その結果、R3hdmlは糖尿病性腎症/CKDに対する保護効果があることを証明さら、その結果を持って論文報告を行った(Ishikawa T et al.; A novel podocyte protein, R3h domain containing-like, inhibits TGF-β-induced p38 MAPK and regulates the structure of podocytes and glomerular basement membrane. J Mol Med 2021 Feb 23.)。 なお①に関しては、現在メタボローム解析を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はメタボローム解析の結果から各臓器におけるR3hdmlの生理的な変化や機能解析を行っていく。 また引き続きアデノウィルスを用いたR3hdml過剰発現モデルを用いて、サルコペニアなどの病態に対する治療効果を比較検討する。 これにより将来的なR3hdmlの臨床応用に向けた重要な知見を得ることが期待される。
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