2019 Fiscal Year Research-status Report
フレイルにおける骨格筋でのインスリンシグナルの役割の解明
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19K16943
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相原 允一 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (60779362)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インスリンシグナル / 骨格筋 / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は骨格筋に選択性の高い発現(心筋では発現しない)を誘導するMLC1f遺伝子の制御下にCre蛋白を発現するMLC1f-Creマウスと、IRS遺伝子領域をloxP配列で挟んだfloxマウスを3系統(IRS-1 floxマウス、IRS-2 floxマウス、IRS-1/2ダブルfloxマウス)を準備し、これらを交配することにより得られた骨格筋特異的IRS-1欠損(MIRS1KO)マウス、骨格筋特異的IRS-2欠損(MIRS2KO)マウス、骨格筋特異的IRS-1/2ダブル欠損(MIRS1/2DKO)マウスの解析を行った。 MIRS1KOマウスおよびMIRS2KOマウスについては、コントロールマウスと比較して体重・身長に差を認めず、解剖・CT検査でも体組成に差を認めなかった。一方、MIRS1/2DKOはコントロールマウスと比較して身長の短縮・体重減少を認め、解剖・CT検査では骨格筋量の低下を認めた。 MIRS1KOマウスおよびMIRS2KOマウスの下大静脈にインスリンを投与しインスリンシグナル関連分子を評価したが、コントロールマウスと差を認めなかった。一方、MIRS1/2DKOに同様の手法でインスリンを投与してもコントロールマウスと差を認めなかったが、IGF-1を投与したところAktのリン酸化が低下することを再現性をもって確認した。 また、MIRS1KOマウスおよびMIRS2KOマウスにトレッドミルを用いた運動負荷を行い、運動耐容能を評価したところ、コントロールマウスと比較して運動耐容能に差を認めなかった。今後、MIRS1/2DKOについても運動耐容能の評価を行う方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨格筋特異的IRS1/2DKOマウスの繁殖があまり順調ではなく、運動耐容能をはじめとする実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいない骨格筋特異的IRS1/2DKOマウスの繁殖については、人工授精を用いて実験に必要な個体数を確保するとともに、実験に用いる個体数の適正化を行うことで、計画通りに研究を推進するように務める方針である。
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