2020 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of tumor development and treatment strategy through RNA control in myotonic dystrophy
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19K16970
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
塩谷 彩子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60622735)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋強直性ジストロフィー / CTGリピート / 発癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋強直性ジストロフィー(myotonic dystrophy: MyD)は成人で最も頻度の高い筋ジストロフィーで、常染色体優性遺伝形式をとる.臨床像として、筋萎縮や筋力低下、筋強直現象などの筋症状が主体となるが、その他に心病変、中枢神経症状(認知機能低下、性格変化)、眼症状(白内障)、内分泌異常(耐糖能障害)など多くの臓器症状を呈する全身疾患である.筋強直性ジストロフィーには2つの病型があり、日本人のほとんどは1型(DM1)である. DM1の責任遺伝子は19番染色体上の筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)であり、DMPK遺伝子の3'非翻訳領域に存在するCTG三塩基からなる繰り返し配列の異常伸長が原因となる.臨床症状とリピート数は相関しており、リピート数が多いほど発症年齢が早まり、症状も重篤になることが知られている. 以前より、DM1では良悪性を問わず腫瘍の発症リスクが上昇することが知られていた.悪性腫瘍に関しては、症例報告にてCTGリピートの延長の可能性が示唆され ている.一方で、CTGリピートと発癌の関連、詳細な腫瘍発生メカニズムについては明らかになっていない. 令和2年度では筑波大学倫理委員会へ審査申請を行い、承認された.昨年度にすでに対象症例を抽出しているため、本年度からは解析を開始する方針である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度倫理委員会の承認が得られたが、解析までに至らなかった. 今年度は検体の解析を主体に行う.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、検体の解析を主体として行う. 腫瘍組織においてCTGリピート数を確認し、その延長が同じ臓器の非腫瘍部におけるCTGリピート数と差異があるのかどうかを確認する. また、良性腫瘍と悪性腫瘍におけるリピート数に差異があるのかも併せて検討を行う予定である.
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Causes of Carryover |
前年度検体解析に至らなかったため。 今年度は剖検検体におけるCTGリピート測定を行う予定である.そのための試薬などの購入にあてる予定である。
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