2023 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of tumor development and treatment strategy through RNA control in myotonic dystrophy
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19K16970
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
塩谷 彩子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60622735)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 筋緊張性ジストロフィー / 腫瘍 / トリプレットリピート |
Outline of Annual Research Achievements |
筋強直性ジストロフィー1型(myotonic dystrophy: DM)は成人で最も頻度の高い筋ジストロフィーである.DMには遺伝学的に2つの病型があり、日本人のほとんどが1 型(Myotonic Dystrophy type1: DM1)である.臨床症状として、筋力低下や筋萎縮、筋強直現象などの四肢筋症状のみならず、心病変(心筋障害、不整脈)、中枢神経症状(認知機能低下、性格変化、傾眠)、内分泌異常(耐糖能障害、高脂血症)、眼病変 (白内障、網膜変性症、眼瞼下垂)、耳鼻科病変(感音声難聴)、消化器症状(嚥下障害、胃拡張)、呼吸器障害(肺胞低換気、睡眠時無呼吸症候群)など多くの臓器症状を呈する。また、西洋斧様顔貌や前頭部脱毛などの特徴的な顔貌も認められる。これらの症状の出現は個人差が大きく、出生時から症状が見られる先天性筋強 直性ジストロフィーから成人まで症状に気がつかない軽症者までの幅がある。 DM1の責任遺伝子は19番染色体上の筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)であり、DMPK遺伝子の3’非 翻訳領域に存在するCTG三塩基からなる繰り返し配列(トリプレット・リピート)に異常伸長が認められる.また、最近ではRNAのスプライシング異常も注目されている。また、CTGリピートの繰 り返し配列が長いほど発症年齢が早期となり、重症になることが知られている(表現促進現象)。 一方でDM1患者では良悪性を問わず腫瘍の発症リスクが上昇することが知られているが、その原因は明らかとなっていない。本研究では腫瘍組織検体を用いて、 CTGリピート解析を行い、DM1における腫瘍化と配列の伸長との関連の検討、腫瘍化因子の同定を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究責任者の休職や異動があり、遂行困難な期間があった. 今年度より、凍結組織を用いたリピート確認を再開する方針である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在良性腫瘍2検体の凍結組織を確認している。この検体に対して、サザンブロット法を用いたリピート確認を予定している。
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Causes of Carryover |
休職及び異動により、補助事業中断の期間が生じたため
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