2019 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチの治療反応性予測バイオマーカーの確立と治療抵抗性機序の解明
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19K16973
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永渕 泰雄 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20792279)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / バイオマーカー / 個別化医療 / 治療抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチの個別化医療の確立に向けて、生物学的製剤やJAK阻害薬を使用開始する関節リウマチ患者の治療反応性を予測する免疫学的なバイオマーカーの同定を試みた。 新規に生物学的製剤、JAK阻害薬を開始する関節リウマチ患者を研究対象とし、20名から末梢血のB細胞サブセットなどのフローサイトメトリー解析を実施した。バイオマーカー候補分子の細胞表面発現を定量した。また、候補遺伝子の発現をリアルタイムPCRで評価した。治療開始後6ヶ月のDAS28もしくはCDAIの変化を治療効果の指標とし、バイオマーカー候補によるこれらの予測能の評価を実施中である。 さらに、B細胞サブセットの遺伝子発現変化に伴う治療抵抗性の機序を解明するため、自己抗体産生能などの免疫学的な評価を予定している。 これらの解析により、バイオマーカー候補遺伝子のフローサイトメトリーによる細胞表面解析、もしくはmRNAの定量によって新規治療開始前に測定することで、高精度に治療予後を予測し臨床判断に活かす個別化医療、層別化医療が可能となる可能性があるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バイオマーカー候補の新規コホートでの検証については、約20名での検体回収、解析を実施中であり、順調に推移している。免疫学的な治療抵抗性機序の検討や治療実験については、条件検討に時間を要しやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
既存の関節リウマチ患者免疫細胞RNA-seqデータのドライ解析によって、治療抵抗性例の免疫細胞における治療開始前の遺伝子発現の特徴を再評価し、バイオマーカー候補のより精緻な同定を行う。 新型コロナウイルス流行が収束に向かい研究室活動の再開後に自己抗体産生能など免疫学的な治療抵抗性機序の検討を予定している。
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Causes of Carryover |
ELISAなどの免疫学的な実験につき、条件検討に時間を要したこと、また検体間での測定誤差をへらすため次年度に一括しての実施を予定している。
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