2022 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習による急性白血病の経過予測モデルと診療・患者の意思決定補助ツールの開発
Project/Area Number |
19K16975
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
布施 香子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40783329)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 予後因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性白血病は幅広い年齢層に発症する難治性の疾患で、分子生物学的な特徴から多くの病型があり、病型や患者背景に応じて治療オプションも異なる。複数の予後因子を総合的に判断し、患者ごとに治療をカスタマイズすることが望ましく、そのための経過予測モデルが必要である。この研究では、まず新しい予後因子の抽出を試みた。国内の造血細胞移植のレジストリーデータベースを用いて新規の予後因子としてMarker染色体を同定した。また、急性骨髄性白血病の診断時のWT1遺伝子発現量と治療選択の関連を解析し、予後に関わる発現量の閾値設定を行った。これは造血細胞移植の有無と無関係な予後因子であることが明らかになった。血液腫瘍治療中の合併症、治療関連死は予後と患者のQOLに大きな影響を与えるため、これらの軽減、因子同定は重要である。今回の解析から集中的口腔ケアが治療終了後においても感染を半減させる具体的な因子であることを指摘しでいた。加えて、近年着目される腫瘍免疫賦活化のマーカーとして特定の免疫細胞の有無および患者と意欲ドナーのHLA(Human Leukocyte Antigen;ヒト白血球抗原)のパターンと治療経過に関連を見出した。 機械学習プログラムADTreeにより血液腫瘍患者の移植の予後予測を行い、解析法の確認と既報と比較検証した。既知の予後予測との整合性が認められたことから、機械学習による予後予測プログラムの妥当性を示すことができた。さらに、特に予備能が低い高齢者に着目して治療選択と予後、医療費への影響に関する個別経過予測モデルの構築を試みた。複数の診療科にまたがった合併症や治療介入があり背景が複雑であったためか、高齢者に特化したプログラムは構築できなかった。機械学習の精度を高めるためには、診療記録・データの質とばらつき、解析データの量などが今後の課題と考える。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Comparison of transplant outcomes between haploidentical transplantation and single cord blood transplantation in non‐remission acute myeloid leukaemia: A nationwide retrospective study2023
Author(s)
K Matsuda , T Konuma , K Fuse , M Masuko , K Kawamura , M Hirayama , N Uchida , K Ikegame , A Wake , T Eto , N Doki , S Miyakoshi , M Tanaka , S Takahashi , M Onizuka , K Kato , T Kimura , T Ichinohe , N Takayama , H Kobayashi , H Nakamae , Y Atsuta , J Kanda , M Yanada
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Journal Title
British Journal of Haematology
Volume: 201
Pages: 106-113
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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