2021 Fiscal Year Annual Research Report
凝固波形解析による血中フィブリノゲン解析を応用した新規出血リスク評価法の開発
Project/Area Number |
19K16977
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 敦夫 名古屋大学, 医学部附属病院, 主任臨床検査技師 (80835398)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フィブリノゲン / Clauss法 / 凝固波形解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、世界で初めて凝固波形解析を臨床検査へと応用し、フィブリノゲン異常症を検出可能な新しいスクリーニング検査を構築することに成功した。 本年度は、昨年度までに得られたデータを解析し、論文として報告した。まず、504名のフィブリノゲンに異常がない患者検体と既に異常フィブリノゲン血症と診断された15名の患者検体をシャッフルしてTraining cohortとし、凝固波形解析を用いたフィブリノゲン解析法(Clauss-CWA法)を用いて、フィブリノゲンの質の指標となる推定フィブリノゲン比活性(Ac/eAg比)を測定した。このデータをもとにROC解析を行い、Ac/eAg比のカットオフ値を設定したところ、0.65という数値が得られた。次に、509名の患者検体と別の14名の異常フィブリノゲン血症患者検体をシャッフルしてvalidation cohortとし、training cohortの解析から得られたカットオフ値0.65を用いてその性能を評価した。その結果、感度は1.00(95%信頼区間:0.7847-1.000)、特異度は0.9961(95%信頼区間:0.9858-0.9993)以上となり、極めて良好な性能を呈した。これまでの標準的方法であるClauss法と免疫学的測定法を組み合わせた診断法と比べたところ、こちらは感度は1.00(95%信頼区間:0.7847-1.000)、特異度は0.9941(95%信頼区間:0.9828-0.9984)以上となり、Clauss-CWA法の性能は標準法と同等以上であることが示唆された。 本検査法は臨床検査として極めて実用的であり、すでに臨床応用の準備が開始されている。
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