2019 Fiscal Year Research-status Report
TROY関連遺伝子は大腸癌の再発予測マーカーとして有用か?
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19K16980
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
西岡 光昭 山口大学, 医学部附属病院, 副臨床・衛生検査技師長 (70738963)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | TROY / LGR5 / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ステージII、III大腸癌の新規再発予測マーカーの確立を目指して研究を行っている。これまで我々の研究では、ステージII、III大腸癌の再発マーカーとしてTROY遺伝子を世界で初めて発見した。さらに、TROYに伴って発現量が変動する遺伝子を絞り込んでいる(TROY関連遺伝子)。また、以前の研究で、我々はTROY遺伝子と、この遺伝子に関連したLGR5遺伝子をヒト大腸癌由来細胞株であるRKO細胞に過剰発現させた細胞を作製した。この過剰発現細胞株を用いて、TROY関連遺伝子の臨床的有用性を検証するために2019年度ではマウスを用いたin vivo実験を行う予定であった。しかしながらRKO細胞由来過剰発現細胞を用いたマウスのin vivo実験において実験がうまく進まず、また、in vitro実験であるウエスタンブロットや細胞浸潤能・細胞増殖能・細胞遊走能等の検討でも再現性が取れないという予期せぬ事態に陥った。そのため、同じヒト大腸癌細胞株であるHCT116細胞を用いて同様の実験を行うことにした。2020年3月時点でHCT116細胞由来のTROY遺伝子・LGR5遺伝子過剰発現細胞株を作製することができ、2020年度からは細胞浸潤能・細胞増殖能・細胞遊走能等のin vitro実験やマウスを用いたin vivo実験を行う予定である。また、臨床検体を用いたサンプル準備として、大腸癌患者の腫瘍部・非腫瘍部組織からDNA/RNAの抽出では、2020年3月時点で150検体ほど抽出することができており、TROY関連遺伝子の臨床検体を用いた検討をする準備ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TROY遺伝子・LGR5遺伝子過剰発現細胞株の作製を再度行ったため、少し進捗が遅れているが、それ以外の計画に関しては順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度にマウスのin vivo実験及び臨床検体を用いた発現解析を実施する。また、作製した過剰発現細胞株のRNAアレイ解析も実施予定である。2021年度に実施予定のオルガノイド研究の準備も2020年度中に進めていく予定である。
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