2019 Fiscal Year Research-status Report
マインドフルネスによる認知症発症抑制と血中microRNAの変化についての検討
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19K16985
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
中野 正子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20709646)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マインドフルネス / 認知機能 / エクソソーム / micro RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
マインドフルネスとは、認知行動療法の1つで、「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく能動的な注意を向けること」と定義された瞑想法である。マインドフルネスは、うつや不安の症状に有効であり、また近年認知機能を改善させる効果も報告されている。本研究では、65歳以上の一般高齢者に対しマインドフルネスを行い、血液中micro RNA (miRNA)を評価し、認知機能向上のメカニズムの検討を行っている。 研究代表者らは、これまで千歳市の3つの町内会館にて65歳以上の一般高齢者の参加者を募集し、週3回4週間のマインドフルネスを実施した。また介入前後で、認知機能検査(日本語版 Montreal Cognitive Assessment:MoCA-J)と採血を実施した。MocA-Jに関しては、マインドフルネス介入前後で認知機能が向上していた。また参加者の血液からニューロン由来エクソソームを単離し、各種miRNAを測定したところ、マインドフルネスによってmiRNA-29cが介入前後で増加していた。 miRNA-29cは、アルツハイマー型認知症患者(Alzheimer’s disease: AD)の脳内でその発現が低下し、神経病理を増悪させることが知られている。またmiRNA-29cは、AD患者での血液中でもその発現が低下していることから、脳内の発現を反映すると考えられている。 本研究では血液中のニューロン由来エクソソームのmiRNA-29cの発現が増加していたことから、マインドフルネスは脳内のニューロンのmiRNA-29cの発現を増加させると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和元年度および令和二年度の計画はほぼ終了し、マインドフルネスによって認知機能が向上すること、またそのメカニズムとしてニューロンのmiRNA-29cが関与していることが明らかとなっている。令和二年度は、令和三年度に行う予定であった実験を前倒しで行う予定で、その準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和二年度は、miRNA-29cが認知機能を向上させるメカニズムについて検討を行う。(令和三年度に行う予定であった実験を前倒しして行う)。具体的には、miRNA-29cをADモデルマウスに投与し、認知機能が変化するか、またmiRNA-29c 投与によってAD病理が改善するかについて検討を行う。
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Causes of Carryover |
・理由:試薬の使用量が見積もりより少なかったため、当初の予定額内で十分に研究を遂行することができ、また進捗状況も良好である。 ・使用計画:使用額が生じた分については、必要な実験試薬(miRNA関連試薬等)に使用する。
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