2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of Mechanism of Calcified Nodule by Multifaceted Approach
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19K16987
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
寺田 幸誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (50782835)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 石灰化結節病変 / 光干渉断層法(OCT) / 近赤外線スペクトロスコピー法(NIRS) / 心臓MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を通して、冠動脈壁ずり応力(WSS)の解析が可能な数値流体解析モデル(CFD)を開発し、石灰化結節病変の形態、壁ずり応力、内皮障害、血小板活性の関係を明らかにし、末期腎不全患者における冠動脈イベント発症機序を解明することを目指している。昨年度は生体内での石灰化結節病変の診断アルゴリズムの開発を行った。具体的な方法は、急性心筋梗塞症例に対して、冠動脈血行再建術治療時に光干渉断層法(OCT)、ならびに近赤外線スペクトロスコピー法(NIRS)を用いた冠動脈責任病変における組織形態の評価を行った。上記の異なる特性をもつ血管内イメージングデバイスを用いることでより正確な診断アルゴリズムの開発を試みた。初年度である2019年、急性心筋梗塞の成因の一つである石灰化結節を正確に生体内で同定する方法の開発を目指し、三次元光干渉断層法(OCT)に加えて近赤外線スペクトロスコピー法(NIRS)を用いたアルゴリズムの作成に成功した。2020年度の当該年度においては、上記アルゴリズムを通して、急性心筋梗塞の成因として重要である石灰化結節の冠動脈形態性状ならびに組織性状を同定した。さらには、微小循環障害の影響を評価する目的で、対象患者に対して心臓MRI検査を施行した。上記内容を循環器雑誌Eurointerventionに投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
冠動脈壁ずり応力(WSS)の解析が可能な数値流体解析モデル(CFD)を開発し、石灰化結節病変の形態、壁ずり応力、内皮障害、血小板活性の関係を明らかにし、末期腎不全患者における冠動脈イベント発症機序を解明することを目指している。初年度である2019年、急性心筋梗塞の成因の一つである石灰化結節を正確に生体内で同定する方法の開発を目指し、三次元光干渉断層法(OCT)に加えて近赤外線スペクトロスコピー法(NIRS)を用いたアルゴリズムの作成に成功した。アルゴリズムの診断精度を評価にも成功した。上記結果から石灰化結節の形態特性を評価し、CFDモデルの開発に当たった。しかしながら、3D-OCT画像の描出の問題から本年度に関しては、断念している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年に石灰化結節形態、WSS、血管内皮障害・血小板活性化との関係の検討を計画している。概要としては、末期腎不全患者70例に3D-OCTを施行し、その結果を基に分類した石灰化結節病変と通常の石灰化病変の2グループ間で、WSS分布・血管内皮障害の有無・血栓付着の分布の比較、および内皮障害マーカー、活性化血小板マーカーとの比較検討を行う予定としていた。しかし、3D-OCTの問題点として、血栓背側部の性状評価が困難であり、末期腎不全患者70例のうち石灰化結節病変と通常の石灰化病変の区別が困難であり、CFD開発は困難と判断した。以上から、研究内容を大幅に変更し、急性心筋梗塞の成因である、プラーク破裂、冠動脈びらん、石灰化結節の形態的特徴、組織学特徴を評価し、各成因におけるWSS、血管内皮障害・血小板活性化との関係の検討へ変更する。
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Causes of Carryover |
本年度はコロナの影響にて国際学会への参加がないため、旅費に使用する予定であった予算がそのまま残ったため。
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