2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K16989
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
滝沢 翼 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30778874)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 頭痛 / 片頭痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
片頭痛は若年者に好発する慢性頭痛疾患であり、有病率、生活支障度ともに高い。片頭痛患者の一部ではストレス、生活習慣、天候の変化など何らかの頭痛発作のトリガーを有している。本研究では片頭痛のトリガーの調査を行い、その一部については片頭痛の動物モデルとして広く認知されている皮質拡延性脱分極(Cortical Spreading Depolarization, CSD)(Harriott AM, Takizawa T, Chung DY, Chen SP. Spreading depression as a preclinical model of migraine. J Headache Pain 2019; 20: 45)を用いて科学的な検証を試みる。片頭痛のトリガーについて総合的な解明を行い、最終的には患者QOLの向上を目指す。 慶應義塾大学病院頭痛外来に通院中の頭痛患者について、約50項目の頭痛のトリガー候補についての調査結果を学会で発表、解析についても進めた。 さらに慶應義塾大学病院の看護系職員のCOVID-19ワクチン接種後の頭痛の特徴や頻度について調査した。普段から頭痛もちの方においては、COVID-19ワクチン接種後に副反応として頭痛が生じやすいことを明らかにし、国際頭痛学会誌に報告した(Sekiguchi K et al. Incidence of headache after COVID-19 vaccination in patients with history of headache: a cross sectional study. Cephalalgia 2022; 42: 266-272)。 片頭痛の動物モデル(CSDの測定系)を用いたトリガーに関する研究も進めた。喫煙を負荷した雌マウスにおいてはCSDが惹起されやすいことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
頭痛外来通院中患者の頭痛のトリガーの調査結果について学会発表を行った。COVID-19ワクチン、個別の頭痛のトリガーについても英文論文や学会で報告した。喫煙と片頭痛の関連について、in vivoの系を用いた検証も進めることができ、喫煙を負荷した雌マウスにおいてはCSDが惹起されやすいことが明らかとなった。以上のことより、研究はおおむね順調に進展していると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
頭痛のトリガーについての調査結果、喫煙とCSDの関係についての論文執筆作業を進めていく。トリガーに関して更なる検討も予定する。
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Causes of Carryover |
研究計画の順番を一部修正したことに伴い、予算を次年度に繰り越すこととなった。当該研究計画が実施される次年度に使用する予定である。頭痛のトリガーに関する更なる検討、論文作成に向けて費用を使用する予定である。
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Research Products
(7 results)