2020 Fiscal Year Research-status Report
リソソーム機能から探るパーキンソン病の分子病態およびその制御に基づく新規治療戦略
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19K16998
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 隼 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (60822905)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DNAJC13 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はPARK21の原因遺伝子であるN855S変異型DNAJC13におけるクラスリンの蓄積を免疫染色にて確認した。今年度はこの結果をもとにエンドソームの成熟障害に注目して研究を進めた。 まずクラスリンとDNAJC13との関係を調べるため、クラスリン依存性エンドサイトーシス阻害剤であるクロルプロマジンを細胞に曝露しDNAJC13と結合するタンパクの変化を免疫沈降にて調べた。すると、クロルプロマジンを曝露した細胞においてはDNAJC13とレトロマー輸送をになっているSNX-1との結合が強くなっていることが明らかになった。既報にてクラスリンがレトロマー輸送のtubulationに関与していることが示されており、今回の結果とあわせて考えるとSNX-1とDNAJC13との結合がtubulationと関連がある可能性がある(Popoff V, J Cell Sci. 2007)。また、志賀毒素やマンノース6リン酸受容体などのレトロマー輸送を受けることが明らかにされているタンパクを観察したところ、N855S変異型DNAJC13を過剰発現させた細胞においてレトロマー輸送の障害が確認できた。 更にエンドソームの成熟障害を調べるため野生型および変異型DNAJC13を過剰発現した細胞を初期エンドソームのマーカーであるEEA-1で免疫染色しエンドソームのサイズを測定したところ、変異型DNAJC13過剰発現細胞ではエンドソームの肥大化を認めエンドソームの成熟障害を示唆する結果と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DNAJC13関連の評価については概ね順調に進んでいるが、そのほかのPD関連変異については評価途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
エンドソームの成熟障害を認めたDNAJC13変異体について、レトロマー輸送機能についてより詳細に検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響もあり、学会の現地参加が出来ず未使用額が生じた。来年度は学会参加を予定しており、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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