進行性パーキンソン病マーモセットモデルの作成および評価系の開発

2019 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K17006
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 藪本 大紀 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (20774227)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: Parkinson's Disease / synuclein / fibril / Marmoset / MarmoDetector / 筋強剛測定装置

Outline of Annual Research Achievements

本研究はマーモセットを用いてヒトPDの発症起点と同じPDモデルを作成する。αsynucleinが神経細胞内に凝集体を形成し、神経変性を引き起こすため、この凝集体を用いたPDモデルを作成する。新規開発MarmoDetectorによる動作解析、生化学、病理学的解析で治療薬効果判定システムを作成し、新規薬剤の評価系への臨床応用をすすめる。
①G51Dfibril投与モデルに対する実験　G51D変異αシヌクレインfibrilをマーモセットの左線条体に直接投与することで、ヒトPDの病態に基づいた緩徐進行性のPDモデルマーモセットを作成する方法を確立している。本年度は本法を用いて、実験に必要な個体数に対して投与を行った。
②6-OHDAモデルの作成　陽性対照として6‐OHDAをマーモセット左線条体に直接投与することで6‐OHDAによるPDモデルマーモセットを作成した。このモデルに対してMarmoDetectorで測定を行い、G51Dモデルと同様に寡動を検出する事が出来た。そのため、陽性対照に必要な例数に対して実験を行った。
③MarmoDetectorの改良　寡動の評価に対してMarmoDetectorを用いているが、ROIを調整できるように変更し、測定精度を上げるように改良を加えた。
④筋強剛測定装置の精度確認　これらのモデルの症状評価のため筋強剛測定装置を開発している。共同研究先のPDモデルマーモセットを用いて、筋強剛を検出できた。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実験に必要な例数のfibril脳内投与マーモセットの手術は施行済みである。MarmoDetectorのメンテナンスのため、症状経過の確認は来年度も行う予定である。今後、症状経過の確認を行っていくが、必要に応じて例数の追加を行うため、若干の予定の遅れは生じることもある。

Strategy for Future Research Activity

2019年度はモデルを作成するための手術を行い、行動解析を開始した。また、測定精度を上げるためにMarmoDetectorの改良を行った。
2020年度は作成した個体に対して行動解析を行い、経時的な症状変化を確認する。寡動の進行や特徴的な行動がないか、また、L-dopaといった治療薬剤に対する反応を見る。これら評価を行った後、病理学的な解析を行う。
共同研究先のPDモデルマーモセットを用いて、筋強剛を経時的に測定し、本測定装置の精度を確認していく。本モデルに筋強剛測定装置を適用することで筋強剛の経時的な評価を行う。

Causes of Carryover

モデル動物に対する症状効果の確認のための実験が次年度にずれ込んだため。