2021 Fiscal Year Research-status Report
Research for a new pathogenesis of lysosomal disease in Parkinson's disease onset mechanism
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19K17019
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
王子 悠 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60777845)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 家族性パーキンソン病 / プロサポシン / ゴルジ装置 / 糖鎖修飾 / スフィンゴ糖脂質 / リソソーム蛋白 / α-シヌクレイン |
Outline of Annual Research Achievements |
PSAPサポシンD領域の遺伝子変異(p.C412Y変異)を導入したisogenic iPS細胞(ホモ接合体・ヘテロ接合体)を作製し実験に用いた。研究代表者の先行研究では、PSAP変異によりPSAPの細胞内輸送の異常が起こることが確認できたため、細胞内輸送系の異常を詳細に検討するため、小胞体やゴルジ装置、エンドソーム・リソソーム系の蛋白をwestern blot法で解析し、PSAP変異ではゴルジ装置マーカーであるGM130の低下がみられた。GM130抗体を用いて免疫染色を行い形態学的解析を行ったところ、PSAP変異におけるゴルジ装置異常が確認できた。既報では、ゴルジ装置異常によりゴルジ装置からリソソームへの蛋白輸送系に異常を生ずることが報告されている。特にゴルジ装置異常により蛋白輸送の亢進と蛋白。脂質の糖鎖修飾の異常を生ずるとされている。そのため、PSAP変異細胞でも同様の表現型が起こることが予想され、リソソーム蛋白であるLAMP2AやカテプシンDをimmunoblot法で解析したところ、非成熟型(immature)な蛋白が増加していることが確認された。さらにノンバイアススクリーニングによる高網羅的な脂質代謝物の同定・相対定量解析脂質の網羅的解析を再検したところ、PSAP変異ではガングリオシドに異常を生ずることが確認された。具体的にはPSAP変異細胞においてGD3ガングリオシド増加・GM1ガングリオシド低下の表現型が確認された。この脂質パターンはゴルジ装置による脂質の糖鎖修飾が機能していないことを示唆する表現型である。GM1ガングリオシドやLAMP2A、カテプシンDはPDにおいてα-シヌクレインの凝集抑制やリソソーム分解において重要な関与を持つ蛋白・脂質であり、これらの障害を引き起こすPSAP変異はやはりPD病態において重要な鍵となる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PSAP変異によるゴルジ装置の異常が見出されたことにより、これまで得られていたPSAP変異iPS細胞やマウスの実験結果である脂質やリソソーム蛋白の表現型の変化を裏付ける細胞内変化が同定できつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
ゴルジ装置とPSAP変異との関連をさらに深く探索していく。さらにはゴルジ装置の表現型を改善させ得る薬剤・分子の探索をiPS細胞およびマウスモデルを用いて行う。結果がまとまり次第論文作成を行い有力国際英文誌への投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
今年度の実験進捗が順調に経過し、得られた実験結果からの考察により新たに策定された研究計画を速やかに遂行することが必要と判断されたため。
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