2021 Fiscal Year Research-status Report
脳心血管疾患での抗血栓療法中の大出血予測方法の開発、および脳小血管病の影響の解明
Project/Area Number |
19K17023
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
田中 寛大 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (90818402)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 抗血小板療法 / 抗凝固療法 / 脳血管障害 / 大出血 / 脳小血管病 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究者らは、脳血管障害を中心とする脳・心血管疾患において大きく多様化している経口抗血栓薬の使用実態を解明するため、「脳卒中研究者新ネットワークを 活用した脳・心血管疾患における抗血栓療法の実態と安全性の解明The Bleeding with Antithrombotic Therapy Study 2 (BAT2)」を進めてきた。国内51施設が 参加し、特に最近注目されている脳小血管病の影響を検討するため、定められた条件での脳MRI撮影を登録要件として2016年10月から症例登録を開始した。本研究の目的は、BAT2研究の全登録症例の2年間のフォローアップを完遂し、経口抗血栓薬と出血合併症の関係を脳小血管病の存在も絡めて解明し、診療実態に即し た新たな出血合併症リスク予測の方法を開発することである。 2019年4月までで5378例を登録し、当該年度で2年間のフォローアップ期間がほぼ終了した。ベースラインの臨床情報を解析し、70.2%が抗血小板療法単独、24.8% が抗凝固療法単独、5.0%が抗血小板療法と抗凝固療法の療法を受けていた。ベースラインの臨床情報を、プロトコルとともに論文化し、European Stroke Journal(2020;5:423)に掲載された。ベースラインの画像データの解析を進め、Journal of the American Heart Association (2022;11:e024749)に掲載された。さらに、BAT2の主な研究目的である出血合併症リ スク予測の方法については、脳画像情報と臨床情報を組み合わせ、日本人に合わせたリスクスコアシステムの開発に着手している。脳画像情報を含めた出血リス ク評価方法の開発は、世界的にも注目度が高く、詳細な解析にもとづいたリスクスコアシステムの開発を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所期の目的である、全登録症例のフォローアップを完遂し、また、プロトコルおよびベースラインについてまとめた論文がEuropean Stroke Journal に採択・掲載された。さらに、ベースラインの画像データについてもJournal of the American Heart Associationに採択・掲載された。
|
Strategy for Future Research Activity |
出血合併症の予測モデルを作成するための解析を開始し、今年度中 に投稿・採択を目指す。さらに、画像データの定量的解析、他の登録研究との統合解析について模索する。
|
Causes of Carryover |
・国際学会での発表、国内学会での発表を予定していましたが、新型コロナウイルスの蔓延により参加できず、出張の必要がなくなり、旅費をあまり支出できませんでした。 ・リモートを中心とし、解析結果を国際学会および国内学会で発表するために参加費の支出があります。解析についてもさらに進めるために、十分な機能を有する機器と解析ソフトウェアを含め物品費が必要となります。複数の研究成果について論文化を予定しており、英文校正費用、掲載料が必要となりま す。
|
Research Products
(1 results)