2020 Fiscal Year Annual Research Report
安静時fMRIの脳内神経回路解析を用いたパーキンソン病の認知症発症リスクの解明
Project/Area Number |
19K17030
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川畑 和也 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60837409)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 認知症 / 高次脳機能障害 / 小脳 / 機能的結合 / 脳内ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はパーキンソン病の認知症への移行をするリスクに関するネットワーク基盤を明らかにすることである。安静時機能的fMRIを用いて脳内の機能的ネットワーク解析を行った。 まず、パーキンソン病の小脳のネットワーク異常と認知機能低下との関係を検討した。以前の我々の研究からパーキンソン病の非記憶主体の高次脳機能低下では小脳ネットワークに異常があることや、また小脳に異常をきたす疾患である多系統萎縮症においても小脳と前頭前野との機能的結合が高次脳機能と相関をしていることを見出しており、神経変性疾患の小脳と高次脳機能という観点からもさらなる研究を進めた。パーキンソン病の群において健常者に比較して小脳-大脳基底核の機能的結合は広範に低下をしており、小脳後葉の領域と視床下核との機能的結合がパーキンソン病の運動症状と関連をしている一方、尾状核との結合が高次脳機能と関連をしていることを明らかにした。この研究結果について論文を作成し、報告をした(Kawabata et al. Parkinsonism Relat Disord 2020)。 またパーキンソン病の視覚機能を司る後頭葉機能低下は将来の認知症発症のリスクファクターである。パーキンソン病患者の視知覚機能について検討を行い、アルファベットの一部がモザイク状に欠けた課題を提示し、一部の症例でこれらの課題スコアの低下を発見した。脳画像解析を行うと後頭葉の視覚ネットワークが一次視覚野で低下しており、因果関係を解析するdynamic causal modelingを行うと舌状回からへの一次視覚野のeffective connectivityが低下していることを見出し、報告した(Kawabata et al. Clinical Parkinsonism Relat Disord 2020)。
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[Presentation] パーキンソン病の小脳-基底核ネットワークと運動/認知機能との関連2020
Author(s)
川畑和也,渡辺宏久,Epifanio Bagarinao,大嶽れい子,原一洋,小倉礼,桝田道人,加藤隼康,坪井崇,前澤聡,勝野雅央,祖父江元
Organizer
第14回日本パーキンソン病・運動障害疾患コングレス
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[Presentation] パーキンソン病の小脳-大脳基底核ネットワークと高次脳機能との関連2020
Author(s)
川畑和也,渡辺宏久,Epifanio Bagarinao,大嶽れい子,原一洋,小倉礼,桝田道人,加藤隼康,坪井崇,前澤聡,勝野雅央,祖父江元
Organizer
日本認知症学会学術集会