2021 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドβ産生に関わる切断酵素BACE1の細胞内動態の解析と活性制御機構の解明
Project/Area Number |
19K17045
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
東 覚 獨協医科大学, 医学部, 助教 (20813702)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルツハイマー / アミロイドβ / BACE1 / クラスリン非依存性エンドサイトーシス / 細胞内小胞輸送 / Taxilin |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、小胞輸送関連分子であるγ-Taxilinによるクラスリン非依存性エンドサイトーシス(CIE)を介したBACE1の細胞内輸送機構とAβ産生機構の解明を目的としている。前年度までに、γ-Taxilin遺伝子発現抑制細胞および欠損細胞において、AβやAPP(Aβ前駆体)のBACE1切断産物であるsAPPβ、CTFβがコントロール細胞と比較し減少しており、γ-Taxilinは BACE1を介したAβ産生に関与していることを明らかにした。また、BACE1はCIE分子が示す特徴的な細長いチューブ状構造であるTRE (tubular recycling endosome)とみられる構造を示すことを明らかにした。さらに、γ-TaxilinはCIE分子のうち、Early endosomeからTREを介して細胞膜にrecyclingされる分子(CD98, CD147)の制御に関与していることを明らかにした。当該年度では、γ-Taxilinが制御するCIE分子であるCD98およびCD147とBACE1がTREにおいて共局在することを明らかにした。CIE分子の解析に使用可能なBACE1抗体が入手できなかったため、代替的にCD98およびCD147の解析を行い、γ-TaxilinはCIE制御分子であるHook1を介してこれら分子のTREへの輸送を負に制御していることを明らかにし、論文として報告した(J Cell Sci 135: jcs258849, 2022)。当該論文においてγ-Taxilin遺伝子の発現抑制細胞はコントロール細胞に比べて、CD98陽性のTREが長くなることを明らかにしたが、同様の事象がBACE1においても確認することができた。以上の結果から、BACE1は、CD98やCD147と同様にγ-TaxilinによってTREへの輸送が制御されている可能性が考えられる。
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