2020 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症患者末梢血DNAを用いたセロトニントランスポーター遺伝子のメチル化解析
Project/Area Number |
19K17056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池亀 天平 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00836736)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | セロトニントランスポーター / エピジェネティクス / 統合失調症 / 双極性障害 / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
セロトニントランスポーターをコードするSLC6A4遺伝子のプロモーター領域に存在する5-HTTLPR(serotonin transporter linked polymorphic region)は高転写活性のlong型(L型)と低転写活性のshort型(S型)の2種類からなる機能的多型であることから、5-HTTLPRのアレル型とうつ病を中心とした精神疾患との関連解析が多数行われてきた。しかし、5-HTTLPRの複雑性や機能活性およびDNAメチル化に代表されるエピジェネティクス機構を考慮した解析はなされておらず、申請者はその重要性を提唱してきた。 申請者は、本研究課題においてSLC6A4のDNAメチル化部位群(CpG island)近傍領域(CpG island shore)に存在する1カ所のCpG部位(CpG3)が精神状態を反映し脳構造との相関を示すこと、5-HTTLPRのgenotypeと相互作用すること、CpG3を人工的にメチル化させると転写活性を完全に抑制できることを明らかにしており、同部位がSLC6A4のDNAメチル化状態をsurrogateできる機能的マーカーであると考えられる(Ikegame et al., Schizophr Bull 2020)。 一方、5-HTTLPRはS型、L型共に多くのサブタイプが存在し、民族集団によりアレル頻度は大きく異なる。特にL型アレルには高転写活性のL型(LA)と同一長だが一塩基多型を含む低転写活性のLGや、日本人集団でしか確認されていないLcが存在する。申請者のグループが行なった合計3,000例の大規模集団での5-HTTLPR解析より、日本人集団ではLA、LG、LC各アレルが概ね等分で存在し、またLCはS型と同等の低転写活性である事を報告した(Ikegame et al., Transl Psychiatry 2021)。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Identification of novel serotonin transporter-linked polymorphic region (5-HTTLPR) in SLC6A4 gene using a large-scale genomic sample2021
Author(s)
T. Ikegame, Y. Hidaka, Y. Nakachi, Y. Murata, R. Watanabe, H. Sugawara, T. Asai, E. Kiyota, T. Saito, M. Ikeda, T. Sasaki, M. Hashimoto, M. Takebayashi, N. Iwata, K. Kasai, M. Bundo, K. Iwamoto
Organizer
CINP 2021
Int'l Joint Research