2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K17062
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 由希子 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (90836082)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / レビー小体型認知症 / 前頭側頭葉変性症 / 特発性正常圧水頭症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2006年1月以降に大阪大学医学部附属病院精神科神経心理専門外来を受診し、認知機能について精査を行った症例を対象とし、認知症の原因となる主な疾患(アルツハイマー病、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、特発性正常圧水頭症)について、外来でよく行われる検査であるMini-Mental State Examination(MMSE)およびAlzheimer's Disease Assessment Scale(ADAS)で得られた見当識(時、場所、人)、記憶、ADLの関連の検討(疫学研究)、および画像研究を行なっている。 2019年度は、2018年4月までに画像検査を含めた精査を行った、アルツハイマー病410例、レビー小体型認知症79例、前頭側頭葉変性症22例、特発性正常圧水頭症40例を対象に解析を行った。この結果、アルツハイマー病とレビー小体型認知症について、疾患による明らかなパターンの違いを見出すことができた。前頭側頭葉変性症、特発性正常圧水頭症については、アルツハイマー病とのパターンの違いを示唆する結果は得られたが、症例数を追加した上での再検討が必要と考えられた。また、アルツハイマー病およびレビー小体型認知症については、見当識障害のパターンにより群分けを行い、MR画像と脳血流シンチグラフィ画像についてStatistical Parametric Mappingによる解析を行ったが、有意な結果は得られておらず、症例を追加しての検討が必要と考えられた。また、症例追加のためには、画像解析環境の再構築が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
画像データの収集および画像解析環境の構築に使用する予定であったワークステーションの発売が、当初の予定よりも遅くなったため、画像データの収集および画像解析環境の構築を年度内に完結することができなかった。また、2020年に入ってからは、COVID-19に伴う業務内容の変更があり、研究を行う時間が減少したため、予定通り研究が進んでいない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
アルツハイマー尿、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症、特発性正常圧水頭症のいずれの疾患についても、2018年4月以降に精査を行った症例を追加し、疫学研究を行う予定である。また、画像データの収集および画像解析解析環境の構築を速やかに進める。
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Causes of Carryover |
画像解析環境の構築が2019年度中に完了できなかったため、ソフトや周辺機器などの購入費用として計上していた研究費が使用できなかった。また、2020年2月以降に予定されていた複数の学会が、COVID-19の影響で中止になったため、旅費として使用予定の研究費が使用できなかった。2020年度は、画像解析環境の構築を速やかに進め、次年度使用額を使用する予定である。旅費についても、当面はこれまで通りの形態での開催は行われない可能性が高いため、オンラインで開催される学会などに参加し、使用する予定である。
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